食べるQRコード!?「薬の成分」をインクにし印刷する技術を開発…デンマーク

大澤法子2018年2月16日(金曜日)

2018年はQR決済元年とも言われており、楽天やLINE社、NTTドコモといった大手が次々とQRコード決済サービスへの参入を表明している。そんななか、デンマークのコペンハーゲン大学の研究グループで注目を集めているのが、医療業界におけるQRコードの活用法である。

具体的には、インクジェットプリンターを使って薬品の成分が入ったインクを可食性素材にQRコードとして印刷するのだ。患者は自身のスマートフォンでその薬に印刷されたQRコードを読み取り、これから服用しようとする医薬品に関する情報をすぐに入手可能である。

QRコードには、患者の名前の他、医薬品の投与経路、有効期限、製造者ID、バッチ番号といった情報を含む。国家の方針に沿いつつ、さらに情報を追加予定だ。この方法により医薬品の誤処方のケースを回避可能となる。そのうえ、経口摂取後の体内吸収率においても申し分ないレベルであるという。

現代医療はいわゆる“one-size-fits-all”型医療であり、平均的な患者のため設計されている。一方、今回のアプローチはいわば既存の医療への挑戦、すなわち「オーダーメイド医療」の確立という目的がある。「個々人の状況に対応したオーダーメイド医療の確立に向け、薬物動態的かつ薬物力学的観点から解明を進めている」とコペンハーゲン大学のナタリア・ジェニナ(Natalja Genina)氏はコメントした。

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大澤法子

記者:大澤法子


翻訳者・ライター。1983年、愛媛県生まれ。文学修士(言語学)。関心分野は認知言語学、言語処理。医療・介護分野におけるコミュニケーションに疑問を抱いており、ヘルスケアメディアを中心に活動中。人間同士のミスコミュニケーションに対するソリューションの担い手として、ロボット・VRなどがどのような役割を果たし得るかを中心に追及。

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