2018年はQR決済元年とも言われており、楽天やLINE社、NTTドコモといった大手が次々とQRコード決済サービスへの参入を表明している。そんななか、デンマークのコペンハーゲン大学の研究グループで注目を集めているのが、医療業界におけるQRコードの活用法である。
具体的には、インクジェットプリンターを使って薬品の成分が入ったインクを可食性素材にQRコードとして印刷するのだ。患者は自身のスマートフォンでその薬に印刷されたQRコードを読み取り、これから服用しようとする医薬品に関する情報をすぐに入手可能である。
QRコードには、患者の名前の他、医薬品の投与経路、有効期限、製造者ID、バッチ番号といった情報を含む。国家の方針に沿いつつ、さらに情報を追加予定だ。この方法により医薬品の誤処方のケースを回避可能となる。そのうえ、経口摂取後の体内吸収率においても申し分ないレベルであるという。
現代医療はいわゆる“one-size-fits-all”型医療であり、平均的な患者のため設計されている。一方、今回のアプローチはいわば既存の医療への挑戦、すなわち「オーダーメイド医療」の確立という目的がある。「個々人の状況に対応したオーダーメイド医療の確立に向け、薬物動態的かつ薬物力学的観点から解明を進めている」とコペンハーゲン大学のナタリア・ジェニナ(Natalja Genina)氏はコメントした。
Photo by Vimeo