人間VSロボアドバイザー...韓国で投資対決イベントがはじまる

ロボティア編集部2016年4月18日(月曜日)

 韓国で人間対ロボアドバイザー(人工知能)の投資対決イベントが繰り広げられている。ロボアドバイザーとは、ロボットを意味するロボ(Robo)とアドバイザー(Advisor)の合成語で、人工知能を使った資産管理サービスを指す。

 同イベントは韓国メディア・毎日経済が主催。次世代産業として注目を集めるロボアドバイザーの育成を目的に企画された。韓国金融委員会と金融投資協会が後援し、ファンド評価機関であるエフエヌガイド(FnGuide)が“審判”を務める。4月8日よりすでに対決がはじまっており、今後6カ月間にわたり投資の成果を競う。

 ロボアドバイザーを提供するのは、サムスン証券、クオーク投資諮問(Quark)、ウィズドメイン(WISDOMAIN)の3社。一方、“人間代表”は韓国を代表するファンドである韓国投資ナビゲーター、KBバリューフォーカス(value focus)、シンヨンバリュー高配当のファンドマネジャー各1人、合計3人だ。

 17日、エフエヌガイドなどは、対決開始後1週間の成績を報告した。それによると、ロボアドバイザーチームの平均利益率は1.52%。対する人間側の成績は1.39%で、ロボアドバイザーが僅差で優位を示した。

 詳細を見ると、サムスン証券の「ポップロボ株式1号(POP ROBO)」が週間収益率2.23%でトップとなった。POP ROBO株式1号は初日、ロッテケミカル、ポスコ、現代重工業、現代建設など鉄鋼、化学、造船、建設関連株でポートフォリオを組んだ。1週間が経過した現在は、サービス、金融、製薬関連株にポートフォリオを拡大する特徴も見え始めているという。サムスン証券の関係者によれば「KT&Gの製薬関連グループ企業であるヨンジン薬品の株価が、KT&G生命科学の合併で上がったが、わたしたちのロボアドバイザーが(関連株を)11日から追加している」と説明している。

韓国_ロボアドバイザー
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 一方、8日に50銘柄に対して運用限界額の5%(5000万ウォン)のみを投資したウィズドメインの「ウィズボット1号」は、14日まで運用規模を5億6000万ウォン(91種目)まで増やした。時価総額2000億ウォン未満の中小型株をポートフォリに主に加えた初日とは異なり、自動車、化学、精油などの大型株をポートフォリオに追加。現代自動車、起亜自動車、LG化学、SKケミカル錦湖石油などを新規で組み入れた。これらの企業の時価総額を保有特許の価値で割った株価技術特許の割合(PTR・Price Technology Ratio)が3〜4倍に過ぎず、技術の価値に比べて低評価されていると判断したためだそうだ。

 なお、人間のファンドマネジャーの利益率は、シンヨンバリュー高配当が2.06%、韓国投資ナビゲーターが1.75%、KBバリューフォーカスが0.37%をそれぞれ記録している。

 現時点での結果を見る限り人間とロボアドバイザーの間に決定的な差が表れているという訳ではなさそうだ。各ロボアドバイザーもしくは、人間個別の成績にはムラがある。6カ月後にどのような結果になっているのか。注視したいイシューだ。