米非営利メディア団体・ナイト財団が米成人を対象に実施し世論調査によると、回答者の88%が、Google、フェイスブック、ヤフーなどインターネット企業がニュースを提供する方法を透明に開示しなければならないと考えているという。
報告書は、「米成人の大半は、主要なインターネット企業の方法がニュースに対する偏見を植え付け、特定の視点の表現を制限し、インターネット企業に利益をもたらすニュースの影響を育むとして非常に懸念している」と指摘した。インターネット企業にニュース提供方法を開示すべきとした回答が多かった理由は、そのような懸念の結果であると説明している。
また、多くのインターネット企業がニュースコンテンツ配信をパーソナライズしようと必死になっているが、その動きに対して米成人の多くは否定的に捉えていたという。興味、インターネット検索、ウェブ検索履歴をベースにコンテンツを提供する試みについて、54%は否定的、45%が肯定的だと答えた。このパーソナライズをニュースに限定して調査した結果、「個人的な好みに応じたカスタマイズニュースより、みなが同じニュースを接しなければならない」との回答が73%に達した。一方、カスタマイズされたニュースを好む立場は17%に過ぎなかった。
報告書は、「カスタムコンテンツのアプローチがニュース報道にまで拡大することについて、米成人は懸念しているように見える」と指摘している。
インターネット企業のフェイクニュース防止に対する努力が足りていないという指摘も相次いだ。回答者の85%は、虚偽情報の拡散にインターネット企業が注意を怠っているとしている。一方で、虚偽情報の対応策として導入されているニュースフィルタリング機能が偏向的だという考えも63%に達している。
グーグル、フェイスブック、ヤフーなどのインターネット企業が、新聞、TVなどと同じ形の規制を受けなければならないという考えに、回答者79%が同意している。回答者は、正確かつ公平なニュースを伝えるために主な責任がインターネット企業にあると回答した人が最も多く(46%)、続いて利用者(38%)、政府(16%)の順となった。
報告書は、「インターネット企業が報道機関のニュースを集め提供する。主要企業が人々に提供するコンテンツは、その観点に深い影響を与える可能性がある」と調査の背景を説明。調査対象は、任意に選ばれた米成人1203人で、調査期間は5月21日~6月4日とされている。
Photo by knightfoundation HP