人工知能が生み出すのは「美の基準」か「美の多様性」か

ロボティア編集部
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Photo by Lesly Juarez on Unsplash

人工知能がもたらす美の「個人化」と「多様化」 それでは、人工知能は美に対してどう寄与できるだろうか。ひとつ確実なのは、美の「個人化=パーソナライズ」を促進するツールになるということだ。前述した通り、もともとBeauty.AIが目指したものは美の基準をつくることでなかった。むしろ、AI美人コンテストというイベントをきっかけになるべく多くの顔データを集め、各ユーザーの状況や環境に適した美容アドバイスを提供していくことだった。言い換えれば、年齢も出身地も遺伝的傾向も異なる各ユーザーがどうすれば美しい肌を保てるか、人工知能の力を使って個別具体的に答えを探そうとしたのである。

美のパーソナライズ化を目指すサービスは他にもある。たとえば、Opu Labsが展開しようとしている、ブロックチェーンとAIを組み合わせたプラットフォームサービスは興味深い。 同社はまず、人工知能を使ってユーザーの顔を分析。プラットフォームには、皮膚科医、美容師、化粧品メーカーなども参加していて、ユーザーは顔などのデータをもとに彼らから個人的な専門的アドバイスや製品の提供を受けとることができる。

ちなみに同プラットフォーム内では、個人と専門家・企業がデータを直接やり取りする仕組みがあるため、企業にとってはマス向けの広告費などを削減できる。一方、ユーザーにとってはこのプラットフォームに参加することで商品やサービスを安く購入できるというメリットが生じる。

人工知能は今後も、美をパーソナライズするビジネスにおいて重宝されていくはずである。そして美の個人化が進んだ先には、それぞれのユーザーが、それぞれの美を追求する「美の多様化」が待っている。人工知能が将来的に美にもたらす変革。それは、美の基準を絞って判断することではなく、美の基準を増やし豊かにすることなのだ。

※本記事はBeautyTech.jp掲載の『人工知能に中立はない? AIによる美人コンテスト炎上騒動が浮き彫りにしたもの』を改題・再編集したものです。