美容・休息・勉強etc...中国で流行する「テック型おひとりさま用スペース」

ロボティア編集部
ロボティア編集部

17Beautyの主な収益は、このユーザーが支払う利用料に加え、ボックスにおける広告費、化粧品メーカーとのタイアップなどとされている。まだそのビジネスモデルの具体例は公開されていないが、ジバンシイ、シャネル、エスティ ローダー、SK-Ⅱ、フェンディ、NYX Professional Makeup、NARS、ディオール、メイクアップフォーエバーなど、大手化粧品ブランドとすでに提携している点を勘案すれば、各メーカーの新製品をボックスで宣伝していく用途はもちろん、共同開発アイテムや、無人ストアとしてボックス内での販売といった可能性もありそうだ。女性たちが頻繁に、そして一定時間滞在するシェア化粧ボックスとしての17Beautyというブランドが確立していけば、この空間はメディアでもあり物販もできるスペースとしての大きな可能性を秘めているといえよう。

17Beautyはショッピングモール側の集客にも一役買うことができると、韓CEOら運営チームは自信をのぞかせている。実際、中国では17Beautyに可能性を感じているショッピングモールも少なくないそうで、無料、もしくは非常に低価格でスペース契約を結ぶことができているというのが運営企業側の説明である。

17Beautyが登場した中国では、さまざまな“ボックス系ビジネス”がすでに普及しているという社会的ベースがある。有名どころで言えば「ひとりカラオケボックス」などがあるが、その他にも関連サービスの裾野は広い。

最近では、プライベートボックス「ROM」というサービスが登場している。これは商業施設などに設置されているもので、ボックスのなかにはWi-Fiやテレビ、ソファーなど置かれている。ひとりあたり1時間の利用金額は6元(約98円)。個人利用の場合、休憩や学習スペース、あるいはノマドワーク用途として、また複数人の利用の場合は飲食をしながらの交流スペースとして使われることが多いという。

Photo by cqjiaonan.com

また中国には、仮眠専用ボックス「5睡」なるサービスもある。中国には昼寝文化があるが、仕事や学業の合間に仮眠を取ってもらおうと登場したのが同サービスである。30分9元(約147円)から利用でき、お昼の時間帯の利用者が多いという特徴がある。

さらに、国内の健康ブームを取り込んだジムボックスサービス「PARK-BOX」も登場した。1時間10元(約163円)で利用可能で、運動不足になりがちなオフィス族の利用が目立っているという。PARK-BOXは個人に限ったスペースサービスではないものの、空間をシェアするというコンセプトにおいては、17Beautyやプライベートボックス、仮眠専用ボックスなど類似性を持つだろう。

数あるボックス系ビジネスのなかでも、メイク専用スペースとして事業展開を開始した17Beautyだが、その潜在力は非常に大きいと予想されている。中国の都市部などを中心に進出を果たし、設置台数を増やすことができれば、オフライン空間における有力な美容関連メディアとして機能していく可能性がある。利用料や広告、タイアップという各ビジネスモデルもさることながら、スマホアプリの個人認証と紐づいているということは、ビックデータを確保するためのオフライン端末&スペースしても活用できる。

中国は世界各国よりもビッグデータやAIの利活用が進んでいるが、化粧ボックスというハードウェアを通じて、女性たちの趣味・嗜好を抽出しつつ商業利用や横展開していくという流れは現実的である。費用感で比較すると、他のボックス系サービスに比べ17Beautyは割高ではあるが、価格帯でも中国の女性たちから支持を得られるか注目していきたい。

※本記事はBeautyTech.jp掲載の「中国でおひとりさま化粧ボックス登場。『17Beauty』の全貌とその可能性」を改題・再編集したものです