アリババと北京市が提携し「医療用AIプラットフォーム」を開発へ

ロボティア編集部2018年10月25日(木曜日)

北京市科学技術委員会とアリヘルスが手を握り、「医学人工知能開放革新応用プラットフォーム」をつくる。アリヘルスは、アリババグループのヘルスケア関連企業である。北京地域の20の医療機関と、ブロックチェーン、人工知能、クラウドコンピューティング技術をベースにしたオープン型研究エンジンの基礎プラットフォームを構築し、エンジン応用サービスセンターを設置する。

同プラットフォームは、医療用AI臨床アプリケーションの開発を加速させるという目的を持つ。ビッグデータベースの応用研究に使用され、医療機関間のビッグデータセキュリティおよび連動モデルを模索する。すでに12のAI企業とパートナーシップを結んだ状況だ。

アリヘルスは最近、「ETメディカルブレイン(ET MEDICAL BRAIN/ET医療大脳)2.0」を発表。医療用人工知能の領域を積極的に開拓すると発表した。医療書類の構造化、医療画像認識、医療生理信号認識、医療音声認識、知識図鑑構築などがメディカルブレインの主要機能となる。

今回発表されたプラットフォームは、その延長線で一種のエコシステムのベースとなる役割を果たす。医師と研究者はプラットフォームを通じて、様々な医療人工知能サービスを使用したり、新たなサービスを開発することができる。プラットフォームにはすでに、脳疾患、乳癌の予測、糖尿病など、さまざまな疾患に対応する人工知能アルゴリズムが含まれている。今後、より低コストで人工知能を使った診療サービスに触れられるようになるだろうとアリババ側は説明している。

またアリババは、プラットフォームとコンシューマー用製品もともに発表した。系列のECであるTmall(天猫)では、ユーザーがさまざまな医療・ヘルスケアサービスを体験できるIoT家電を購入できる。

百度とテンセントなど、アリババ以外のIT大手企業も相次いで医療分野への人工知能技術の融合を進めている。

特にテンセントは積極的な姿勢を見せている。今年6月には、「AI +」という医療エンジンを発表。これは、中国初となるオープン型医療AIエンジンプラットフォームとなった。インタフェースを開放することで、サービス開発企業がテンセントのAIエンジンと病院のシステムを組み合わせることができようになっており、いわゆる「AI診療」を可能にするベースとなっている。

今後、医療用AIや関連ビックデータ産業に関する競争はますます加速していくと見られている。

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