AI創薬スタートアップtwoXARにソフトバンクベンチャーズらが増資

ロボティア編集部2018年3月27日(火曜日)

AI創薬スタートアップtwoXARが、 ソフトバンクベンチャーズ (SoftBank Ventures) がリードし、Andreessen Horowitz と OS Fundが追加投資で参画した1000万ドルのシリーズA第3社割当投資を実施したと公表した。今回の資金調達により、twoXARはパートナー企業との創薬、また既存プログラムの非臨床試験の加速度的促進を目指す。また、ソフトバンクベンチャーズの代表取締役社長JP Lee、Andreessen Horowitzのジェネラル・パートナーVijay Pandeが、twoXARの取締役に就任した。

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ソフトバンクベンチャーズは情報革命の加速度的促進に携わる事業への投資に力をいれており、特にヘルスケア分野でAIの応用に注目している。

「twoXARは現在急速に成長しているAI創薬市場をリードする存在。難病や様々な疾病に対応する多くの治療法の開発に貢献すべく、今回の投資ラウンドのリードができてとても光栄です。twoXARのAI技術で、新薬発見の過程を早め、非臨床試験の成功率を大幅に高めることができます。twoXARチームは既にバイオ医薬分野で世界をリードする会社と提携を行い、生体(in vivo)実験を効率よく、より正確に行うことができました」(Lee氏)

twoXARは自社AIプラットフォームを使い、新薬候補化合物の特定にかかる時間を数年間から数週間に短縮し、肺がん、リウマチ、2型糖尿病等の治療分野では、動物実験(in vivo)の成功率を大幅に増加したと明かしている。twoXARは現在、バイオ医薬品会社、医薬品開発企業及び投資家とパートナーシップを結び、新薬候補化合物開発の新たなパイプラインを構築することに注力している。

「医薬品の発見におけるAIの応用は推論的と思われていましたが、今後はより実用的となり、バイオ医薬品開発の効率化に重要な役割を果たします。ソフトバンクベンチャーズ、Andreessen Horowitz、OS FundはAIの生物学的な応用への投資経験が豊富で、この分野での事業開発の専門家。今後共に創薬プロセスを作り上げられることを光栄に思っております」(twoXARの共同創業者兼CEO、Andrew A. Radin氏)

これまで、ひとつの新薬が開発されるまで、平均10~15年間にわたり、数百億円が投資され、その時間とコストの大部分は新薬の候補となる物質を探す過程に投入されてきた。twoXARが持つようなAIプラットフォームは、従来の創薬プロセスをより効率よく、かつ予測可能にする。新薬開発プロセス全体も加速され、産業全体のリスクとコストを軽減する可能性も秘めている。

「数学的モデルは、より少ない投資、より短い時間で創薬ポートフォリオを作り出します。twoXARはパートナーシップやスピンアウトを通じて、多くの医療分野で技術を応用できるようにしています。そして創薬の専門家とともに開発を進めることで、より多くの患者により早く有効な薬を届けることを目指します」(メルク社前EVP&CFO、現twoXAR取締役Judy Lewent氏)。

twoXARは過去に、Andreessen Horowitz、CLI Ventures、とStanford-StartX基金から430万ドルのシードファンドを調達している。