AI技術を利用した中国の医療プラットフォーム「平安グッドドクター」とは

ロボティア編集部
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Photo by pahtg.com

今、AI(人工知能)分野でもっとも期待されているのが医療やヘルスケア分野での活用だ。中でもAI技術を利用した医療プラットフォームで注目を集めているのが中国の「平安グッドドクター」。設立3年で2億人のユーザーを抱えるまでに成長した。サービス内容やビジネスモデルに迫る。

2018年7月に開催された法人向けテック展示会「ソフトバンクワールド 2018」の基調講演で孫正義代表とともにゲストスピーカーとして登場したのが、世界中から注目を集める中国医療プラットフォーム「平安グッドドクター」(Ping An Good Doctor/中国名:平安好医生)、以下、平安GDのCEO・王濤氏だ。ソフトバンク・ビジョン・ファンドは2018年1月、同社に4億ドルを出資したと伝えられている。

「過去3年間で、中国全土で平安GDは3億以上の診察をオンラインで提供した。さらに毎日の診察件数は37万件を超えている」

王氏は壇上でこう述べている。孫氏も「世界一進んでいる」と称賛する同社のサービスは主にスマートフォンのアプリで提供される。ユーザーはアプリを立ち上げ、症状をチャットや通話、テレビ電話で医師に伝える。診断後に診断書がオンラインで届き、病院での治療が必要ならそのまま予約に進む。投薬で治りそうなら処方箋が発行され、都市部の場合1時間以内に薬を届けてくれる。一連のエクスペリエンスはAIによって最適化され、短時間で正確な診断を導くことを可能にしている。

平安GDの中核となる「AIファミリードクター」は従来の病院の5倍の患者を処理でき、1日37万件の診察という驚異的な成果を上げているのだ。7月現在、平安GDのユーザー数は2億人を越え、提携する病院・医療機関は5000件以上、薬局1万店以上、提携医師は2万人以上にのぼる。

オンライン上で健康相談から診察予約、服薬までワンストップで行うサービスは世界で前例がなく、この分野で中国は最先端を行く。三甲医院(地域の大病院)の前に診察予約整理券のダフ屋が並び、処方薬の受け取りにも長蛇の列ができるこの国で、いかに画期的なサービスであるか、我々でも容易に理解できるだろう。

中国の医療プラットフォームは平安GDがトップシェアを誇っているが、ほかにも「We Doctor(微医)」「春雨医生」「杏仁医生」などがあり、群雄割拠の状態となっている。テンセントが出資するWe Doctorはユーザーが1億6000万人と平安DGに迫っており、近日中に香港市場に上場するとも伝えられている。

現在のところは、親会社の平安保険グループの共通アカウント「一帳通」(保険・金融・決済サービス連携)が利用できる平安GDにアドバンテージがあるが、We Doctorもテンセント系のWeCaht(微信)やWeChat Pay(微信支付)など中国ですでに強大なインフラを持つだけに今後、平安GDを凌ぐ可能性もある。