中国「次世代AI開発」に関する総合レポートを12の研究機関が共同で発表

ロボティア編集部2020年7月8日(水曜日)

中国の次世代人工知能の開発・エコシステム全般に関する最初の報告書「中国の次世代AI指向」(Towards a new generation of artificial intelligence in China)が、科学専門誌・ネイチャーマシンインテリジェンスにて発表された。中国内の12のAI機関の研究者グループがまとめた論文だ。

同論文は、中国におけるAI全般に対する最初の研究報告書で、2017年にAIエコシステム構築のプループリントとして発表された「NGAI」(New Generation Artificial Intelligence)という開発計画(2015-2030)を扱っている。論文の共同著者らは、「新世代のためのAI計画」「大学、政府、産業間の協力」「重点分野」「課題と機会」というよっつのテーマから中国のAI開発についてアプローチを行っている。

中国の次世代AI計画は、主にビッグデータを構造化された知識に変換して、人間の意思決定を支援することに重点を置く。実現の道筋として示されたのは、複数の機関や企業間の大規模なオープンコラボレーションだ。そのため、中国科学技術部は15のオープンイノベーションプラットフォームを設立し、2023年までに20の新しいNGAI開発試験区を建設する計画だという。

重点分野は、日常の消費者のためのAI、自律走行AI、IoTを駆使したヘルスケアのための対話型AIなどである。

共同著者らは、現在の中国AI開発の機会と課題も分析している。

まず、中国ではすでに顔・音声認識などの分野で強固なベースを構築しており、約8億4000万に達する中国インターネット人口が、新しいAIアプリケーションのための巨大な市場になると前向きに分析している。一方で、最先端技術の不足、未熟なAIエコシステム、倫理的な問題の解決策が課題として示された。

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