2017年の中国AI産業の成長率は50%越え...2019年には約4000億市場に

ロボティア編集部2018年1月18日(木曜日)

各国で人工知能産業の発展が続いているが、なかでも中国のスピードが際立って目立つ。2017年の中国のAI産業規模の成長率が51%を超えたと推定され、投資熱もさらに高まる気配だ。

調査企業「CB insights」によると、2016年(12月20日まで)に行われたグローバルAI領域の投資は合計635件で総投資額は5億1000万ドル(約570億円)だった。AIの商業化のスピードも早まり、多くの企業が成長を果たした。しかしながら、グローバルAI企業の数は、米国、中国、英国など少数の国に集中しているという状況も明らかにされた。 上記、3つの国を合わせて、グローバルAI企業全体の65.73%を占めるという。

最近、中国インターネット企業・網易(Netease)が発表した「グローバルAI発展レポート2016」によれば、米国のAI企業数が合計2905社で世界1位とされている。そのうち、カリフォルニア州サンフランシスコ、ロサンゼルスのふたつの地域の企業数は1155社で、グローバル企業全体19.13%を占めているという。中国のAI企業数は米国に及ばず、北京、上海、深センの企業が占める割合は7.4%にとどまった。それでも中国は東アジア地域で3位圏に入り、都市別では3都市がそれぞれ世界3位、6位、8位にランクインしている。

グーグル、マイクロソフト、IBM、フェイスブックなどの企業は、独自の優位性を武器にAI分野で積極的にプレゼンスを拡大している。人材の確保にも積極的であり、実験室の設立や研究・開発の拡大に拍車をかけつつ、オープンソースプラットフォームなどを通じて独自の生態系を築こうとしている。一方、中国AI産業は後発であるものの、産業全体が初期段階にあるので、まだまだチャンスがあると分析されており、実際に技術、資金、市場、人材などの面で同時に発展している傾向がある。

中国のモバイルインターネット研究組織「アイメディアリサーチ(iiMedia Research)」の集計によると、中国AI産業の規模は2016年に100億元を突破。前年比43.3%の成長率で100.6億元(約1728億円)を記録した。そして2017年の成長率は51.2%に達したと推定しており、産業規模は152.10億元(約1680億円)と指摘している。2019年には344.30億元(約3804億円)まで拡大すると見込んでいる。

また中国の前瞻産業研究院によると、2016年には中国のAI分野に対する投資は284件、投資総額は26億ドル(約2879億円)だった。一方、2017年1月から7月には181件の投資があった。7月は特に多く単月で46件を記録している。投資金額の面では、昨年1〜7月の間、1億元(約17億2000万円)規模の投資プロジェクトが37件に達し、10億元(約170億4000万円)以上のプロジェクトは3件だった。最も高い投資額は22億元(約378億5400万円)となっている。

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