米ニューヨーク・マンハッタンのミッドタウンに、新型コロナウイルスを検出するためのロボットが登場した。2月上旬、ペンシルバニアに拠点を構えるロボット企業「プロモボット」(Promobot)は、自社開発した1.5mのヒューマノイドロボットをブライアント公園で稼働させた。ロボットは講演で、アンケートを実施。感染の疑いがある人がいるかを調査・確認した。
ロボットの筐体価格は2万5000ドルとされている。公園で稼働する数日前には、タイムズ・スクエアでマスクを配布する作業も担った。プロモボットの創業者でありCEOでもあるOleg Kivorkutsev氏は、ハードウェアとともに新型コロナウイルスの検出用ソフトも開発しているとメディアに説明している。感染リスクを周知するとともに、実際に感染した人々を探すという目的を達成するのが同ロボットの最終目標だ。すでに2月に入って300人を対象に実証実験も行ったという。
ただ、医療専門家からは厳しい指摘も。なかには、ロボットをわざわざ登場させて作業をさせるのは「行き過ぎ」だとする人々もいる。たしかに、ロボットが登場することで、いたずらに恐怖が拡散してしまう可能性もなくはない。なお、プロモボットの新型コロナウイルス検出ロボットは、ブライアント公園で稼働させてから1時間後に警備員により撤退を余儀なくされた。理由は公園側に許可を得なかったからだ。
人間の代わりに作業を行ってくれるロボットがいれば、医療関係者などはウイルスにさらされるリスクを軽減することができる。緊急事態にはとても重宝されるが、使い方に誤解があってはせっかくのテクノロジーも無駄になってしまう。医療チームやコミュニティーとの密接な連携も、新型コロナウイルスを撲滅するためのロボット稼働にはとても重要なこととなりそうだ。