スイス研究者が鶴型マイクロロボットを開発...体内手術や物質加工に応用期待

ロボティア編集部
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ⓒ Paul Scherrer Institute/Mahir Dzambegovic

スイス・ポールシェラー研究所(PSI)とチューリッヒ連邦工科大学(ETH)の研究者たちが、患者の体内に入り込み治療を行うなど、さまざまなタスクを処理できるマイクロロボットの試作品を披露した。

開発されたマイクロロボットは、一見、折り紙でつくった鶴のようだ。主要部品であるナノ磁石(Nano magnets)を磁気的にプログラミングした後、磁場を利用して動きを制御する。サイズは数十マイクロメートル(1cm = 1万マイクロメートル)で、人体の中に入り精細な手術を行うことも可能と研究チームは見ている。なお、研究に使用されたナノ磁石は、繰り返しプログラミングが可能である。再プログラミングで新しい動きを取り入れることができる。

研究チームは、マイクロロボットを開発するため薄いシリコン窒化物(窒化ケイ素=Silicon nitride)シートのコバルト磁石を配列。結果、翼をなびかせたり、停止飛行、回転あるいは側面スライドのような様々な動きを実行することができる。

チューリッヒ連邦工科大学・材料学部教授のLaura Heyderman博士は、マイクロロボットが実行する動きはミリ秒(1ミリ秒= 1000分の1秒)以内に実行させることができると解説。さまざまな運動を連続性的にプログラミングできる点も強調している。

チューリッヒ連邦工科大学・機械およびプロセス工学課の課長を務めるBradley Nelson教授は、将来的にマイクロロボットや自律微細マシーンが人間の血管を行き来し、がん細胞の治療など医学的課題を遂行することができると考えを述べている。

一方、同大学のTianyun Huang研究員は、柔軟な微細電子機械や光学特性を変更できる微細レンズのような分野にも活用を模索できると補足。論文では、吸水性を高めたり、逆に水をはじくなど、物質の表面特性の変化の応用も言及されている。