次世代リハビリ用ロボット「RYSEN」身体情報を伝達しスマートに歩行を補助

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 スイスの連邦工科大学ローザンヌ校およびローザンヌ大学病院の研究グループは、脊髄損傷や多発性硬化症、脳梗塞などの神経疾患患者向けの次世代のリハビリ機器「RYSEN」を、2017年7月20日付の米医学誌「サイエンス・トランスレーショナル・メディシン(Science Translational Medicine)」の電子版にて発表した。

 神経疾患患者のリハビリにおいては、神経系に正しい動きを伝えられるかが重要とされている。不自然な動きを繰り返しているうちに、神経系がその動きを覚え、二度と自然な動きを再現できなくなってしまう恐れがある。そこで同研究グループが考案したのが、正常な動きを実現する次世代のスマート歩行機器「RYSEN」だ。

「RYSEN」は内蔵するアルゴリズムとの連動により、患者の足の動きや歩幅、筋肉活動量などの情報を収集し、患者の胴体に加える力量を決定。結果、患者の体重が安定し、自然な体勢で歩くことが可能となる。

 同研究グループはスマート歩行機器の有用性を見るべく、約30名の患者を対象に臨床試験を実施。これまで介助なしでは達成できなかった日常生活の行動がスムーズになるなど、移動能力の改善効果が即座に現れることを示すと同時に、神経科学者グレゴワール・コアタイン(Grégoire Courtine)氏は「概して神経疾患向けのリハビリ機器として活用の余地があると思います」とコメントした。

 近年、世界各地にてリハビリ用のロボットスーツの開発が進められており、日本国内でも一部の病院にて導入が始まっている。イスラエル発の歩行アシスト装置「ReWalk」(リウォーク・ロボティクス社製)は有力製品のひとつであり、すでに欧米諸国を中心に商品化されている。日本では安川電機がリウォーク・ロボティクス社と提携し、日本国内における「ReWalk」の普及に努めている。

大澤法子

記者:大澤法子


翻訳者・ライター。1983年、愛媛県生まれ。文学修士(言語学)。関心分野は認知言語学、言語処理。医療・介護分野におけるコミュニケーションに疑問を抱いており、ヘルスケアメディアを中心に活動中。人間同士のミスコミュニケーションに対するソリューションの担い手として、ロボット・VRなどがどのような役割を果たし得るかを中心に追及。

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