北九州市内の介護施設で歩行練習に特化した「自立支援型介護ロボット」実証開始

ロボティア編集部2017年11月2日(木曜日)

日本のロボット開発ベンチャー・リーフが、公益財団法人「北九州産業学術推進機構(以下、FAIS))の協力のもと、北九州市内における介護ロボットの実証事業の一環として、自社開発した介護ロボットのテストを特別養護老人ホームで11月1日より開始した。

福岡県北九州市は、全国に12区域ある国家戦略特区のひとつ。「先進的介護・高齢者活躍拠点」の取り組みとして、介護が必要な高齢者の増加などの課題解決を目指す。同社では、ロボットや ICT などを活用した先進的介護を確立するため、2016年より国内の先進的な介護機器開発メーカーと実証を行っている。

リーフは2016年にも北九州市の実証事業に参加している。昨年の実証後に FAIS が実証施設から意見を集約。今回の実証ではその意見に基づきまとめた改修点を反映した介護ロボットを使用する。

実証の舞台となるのは社会福祉法人「孝徳会・特別養護老人ホーム サポートセンター門司」。実施期間は2017年11月1日から12月31日までの2ヵ月間だ。

今回のテストでは、介護ロボット・歩行リハビリ支援ツール『Tree 介護用(仮称)』を用いる歩行練習が、入居者の機能強化や自立支援へどのように寄与するか検証する。

実証施設の入居エリア(廊下等共同生活空間)で、1 週間に 2 回(週 2 日)以上の『Tree 介護用』を用いた歩行練習を行う。ロボットでの歩行練習時には、施設の理学療法士が入居者の歩行能力に応じた歩行速度を設定する。歩行練習時のロボット操作は事前にリーフより運用教育を受けた介護スタッフが行い、入居者は介護スタッフの介助(もしくは見守り)のもとで上限 20 分間の歩行練習を行う。

今回、検証される項目は、入居者の介入前、介入中、介入後の運動機能、認知機能の変化など。運動機能は TUG テスト、歩行テスト、片脚立位テストを、リーフが開発した「歩行評価インソール PiT Care (ピットケア)」で行う。一方、認知機能については、「改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)」で検証を予定している。

また入居者、介護スタッフ、セラピスト、施設長に対して、介入前後に書面でのアンケートを実施。実証に対する主観評価や心理評価を行い、実証を行う前後での変化を確認する予定となっている。

■ 歩行リハビリ支援ツール『Tree 介護用 (仮称)』について

歩行リハビリ支援ツール『Tree』(脳血管障害等による片麻痺の障害をお持ちの方の歩行リハビリ支援ロボット)をベースに、介護施設における歩行練習用ロボットとして開発された製品。

■ロボット利用による目指すべき効果

1.自立した生活につながる身体機能の維持・向上

通常よりも安定した歩行練習、歩行距離の拡大による自立した生活につながる身体機能の向上を目指す。また、自立支援につながることで介護スタッフ、ご家族の身体的、精神的な負担軽減を目指す。

2.入居者のモチベーションの向上

ロボットによる非日常的な練習を行うことで、入居者の歩行練習における意欲の維持・改善を目指す。また介護スタッフが入居者の歩行状態を把握する機会となり、今以上の質の高い介護が可能となることが期待される。

なお、今回の実証をふまえて、さらなるロボットの改良を行い、介護施設や維持期(生活期)リハビリテーション病院への利用を目指した、市場への投入を目指していく予定だ。