NTTが障がいへの理解促進のため社員向け「福祉機器のICT化事例体験会」を実施

ロボティア編集部2018年10月6日(土曜日)

NTT東日本グループでは、ダイバーシティ・マネジメントを重要な経営戦略として位置づけ、社員に対して障がいに関する理解促進のためのさまざまな施策を展開している。施策の一環として、10月4日(木)に、NTTインターコミュニケーション・センター「ICC」にて、社員向けに講演会および最新の福祉ICT機器の体験会が開催された。

講演会では、株式会社オリィ研究所CEO・吉藤健太朗氏が講師として登壇。福祉機器のICT化事例などについて言及した。講演会後には、NTT東日本グループ社員向けの機器の体験会が実施され、視線入力装置を使った意思伝達装置「OriHime eye」や、分身ロボット「OriHime」などをこの日集まった約100名の社員が体験した。

「本来『障がい』は、手足が自由に使えないことや目が見えないことではなく、乗り越えることが難しい壁や課題のことです。人間はその障がいが多い生き物ですが、それらを解決する力がテクノロ ジーにはあると考えているので、今回のイベントではNTT東日本の社員の方々が、ICTを使うことで こうした課題をどのように解決できるのかを考えるきっかけとなり、素晴らしいテーマだと思いました。(中略)まさに『福祉機器とは何か』が今回の講演会のテーマです。福祉機器は障がいのある方だけが必要とするものだと認識されていますが、それは今後変わってくると僕は思います。人間が機械やテクノロジーをツールとして、手足のように自由に使いこなせるようになり、誰もが障がいを乗り越えて社会や周囲の人からより必要とされるような時代にしていきたいです」(吉藤氏の講演会発言より抜粋)

吉藤氏は、高校時代に電動車椅子の新機構の発明に関わり、2004年の高校生科学技術チャレンジ(JSEC)で文部科学大臣賞を受賞。2005年には、アメリカで開催されたインテル国際学生科学技術フェア(ISEF)に 日本代表として出場し、GrandAward 3位を受賞している。高専で人工知能を学んだ後、早稲田大学創造理工学部へ進学。自身の不登校の体験をもとに、対孤独用分身コミュニケーションロボット「OriHime」を開発し。2012年には「人間力大賞」を受賞している。自身の実体験から、「ベッドの上に居ながら、会いたい人と会い、社会に参加できる未来の実現」したいという理念を掲げ、福祉機器の開発に尽力している。

本イベントは、NTT東日本のダイバーシティ推進室が主管したもので、NTT東日本側は「障がいのある方々のために何ができるのか、業務を通じて何をすべきなのかを、社員一人ひとりに考えてもらい、普段の業務においての新たな視点として活かしてもらう機会にしたい」と実施背景について明かしている。