自動車メーカー・ヒュンダイがウェアラブルロボット開発に注力

ロボティア編集部2016年9月20日(火曜日)

 自動車メーカー・ヒュンダイグループがウェアラブルロボットの開発に拍車をかけている。高齢者や障害を抱えた人々のリハビリを支援する目的だ。

 現在、平地歩行、階段の上り下りなどの基本歩行を支援する膝型(KAMO)、股関節型(HAMO)、その両方を組み合わせたモジュール結合型(H-LEX)、麻痺障害者が着用して歩くことができるように開発された医療型(H-MEX)の4つのタイプのウェアラブルロボットの試作を終えた状況だ。

 特にモジュール結合型は、昨年8月に開催されたエンジニアのための世界会議「NIウィーク2015」で公開され、製造・制御部門の賞を韓国勢としては初めて受賞。技術的価値を認められた。

 自動車製造ノウハウを取り入れて開発されたそれらウェアラブルロボットは、他製品より20%以上の軽量化に成功。また歩行速度とバッテリ駆動時間などでも高い機能を示している。ヒュンダイは、来年中にウェアラブルロボットを量産に向けた準備を開始。以後、2018年からはウェアラブルロボットを生産・普及・テスト運用し、ロボット市場に乗り込む構想である。

 一方、鉄道事業系列会社であるヒュンダイロテムは、モジュール型ウェアラブルロボット「RMX」を開発し、昨年4月に工場で実証実験を行った。これは、工場労働者の筋骨格系疾患を予防し、生産性を向上させることができるものと期待されている。現代ロテムはまた、危険地適応型の下肢筋力高反応制御技術を開発中で、軍事用ウェアラブルロボット技術の確保に力を入れている。

 ヒュンダイグループの関係者は、「ロボットと自動車産業が出会えば相乗効果が大きいと判断し、グローバル自動車メーカーとして蓄積した技術力と製造業のノウハウをベースに、ロボット開発に乗り出している(中略)ロボット技術を利用して自動走行車の開発の礎を用意し、(一方で)産業現場でロボット産業が新たな成長動力となるよう継続して投資する計画だ」と明らかにした。

 世界的に見れば、競合他社も未来型移動手段としてのロボットに注目している。ロボット技術は、そのまま未来型自動車の開発に活用・応用が可能だ。例えば、ロボットに適用されている認知・制御・判断などの技術は、自動車にも適用される技術だ。

 自動車業界の関係者は、「ロボットの人工知能が車に適用されれば、自ら考えて、人間との相互作用する最適な無人カーに一歩近づく」と指摘している。