近未来アクセサリー!? 服の上を這うウェアラブルロボットが出現

ロボティア編集部2017年8月13日(日曜日)

 米MITとスタンフォード大学研究チームが、「ウェアラブルロボット」の新たな方向性を示すプロトタイプ製品を公開した。同ロボットは、昨年に研究グループが発表したミニロボット「ロバブルズ(Rovables)」をベースにしたもの。ロバブルズは服の表面を動きまわるロボットだ。

 研究者らはふたつの車輪の間に布をはさみ、磁石の力で布下部の車輪と上部の車輪を固定。服から落ちないようにした。ロバブルズには、バッテリーとマイクロコントローラー、無線通信モジュールなどが搭載されている。通信モジュールは、他のロボットの位置と動きを追跡するための装置だ。またジャイロスコープと加速度計を内蔵した慣性測定装置(IMU)も搭載されている。同装置で回転数を計算することで、ロボットは自分の位置を把握。着用者の服の上をうまく移動する。

 研究者たちはロンドン王立美術学校出身のデザイナーと提携。ロバブルズのデザイン要素などを向上させ 「キノ・プロジェクト」(Project Kino)という名称でロボットを改めてリリースした。目指すは「動くアクセサリー」だ。

 ファッションとロボットの融合を示唆する同プロジェクトだが、まだまだ拒否感を拭えない人も少なくないようだ。研究者たちは、アンケート調査を行っているが、なかには「虫が這うシーンを連想させる」「気味が悪い」「異様」「見慣れない」などの印象を吐露する回答者もいたという。

 同ロボットの成功カギは小型化、軽量化にかかっているかもしれない。アンケートでは、「よりロボットが小さければよい」という意見が多かったという。またロボットを「リモート通信デバイス」として活用できるようにすればよいのではないかという意見も多かったそうだ。例えば、遠く離れた恋人と疎通する「ウェアラブルロボット」があれば、便利だというのがその理由だ。すでに着用したユーザー同士が音声会話を交わせる機能が搭載されているが、今後、さらなく発展の余地が示された形となった。

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