流通大手・アマゾンは、服をオーダーメイドすることができる「ロボット・テイラー(Robot Tailor)」の特許を出願した。
米国特許商標庁(USPTO)は、2016年にアマゾンが申請したロボット・テイラーの内容を公開。同ロボットは、蛍光インクを使用して、注文者の体型など身体的な特徴に合わせて布の裁断部分を表示する。蛍光インクは人の目には見えず、紫外線をあてることでその形を確認することができる。
蛍光イメージは、イメージセンサーによって捕捉され、人間の裁断士、および生産ラインの縫製労働者に服を製作する指針を提示する。裁断士は布に表示された蛍光イメージを見て、服を裁断する部分を把握することができる。また蛍光イメージは、ラインの縫製労働者に生産を指示する際にも活用される。
特許申請者であるアマゾンのRouzbeh Safavi Aminpour氏は、「蛍光性の製作指針は、縫製労働者や自動縫製システムに適用可能」と説明。Aminpour氏は、以前にもカスタマイズされた衣類の製作に関するコンピュータ制御および縫製システムの特許を申請している。
今回、特許が申請されたロボット・テイラーは、布の生地だけでなく、革、紙、ゴム、プラスチックなど様々な素材に採用することができる。今後、革製の服、帽子、バック、ベルト、カートン、寝具など、さまざまな製品をつくるのに役立つと期待されている。なお、アマゾンはロボット・テイラーに関する特許技術を、いつ実用化するかについては言及していない。
アマゾンはここ数年間、ファッションに関する特許および技術の開発を続けている。例えば、「アウトフィットコンペア(Outfit Compare)」は、オンライン上で購入しようと考えている服が似合うかどうかアドバイスしてくれる製品である。また、昨年公開されたAIアレクサベースの「エコールック(Echo Look)」は、カメラで撮影した写真を解析し、消費者が服を着た姿を360度視点で確認できるサービスとなっている。現在、衣料品分野でさまざまなソリューションを打ち出しているアマゾンだが、今後、ファッション業界に本格的に参入するのではないかというという指摘も出てきている。
Photo by USPTO