Googleが、プライバシー保護のためのドローン飛行技術の特許(登録番号:US9262929)を、米国特許商標庁に登録した。ドローンの飛行および撮影で発生する、プライバシー侵害問題の解決が期待される。
プライバシー保護の方法としてまず、グーグルはデータベースを用意する計画を提出した。データベースには、人口密集度、イベント、交通混雑、建物、飛行禁止区域、地域の詳細情報を盛り込む。その情報には、ドローンの飛行が避けられるべき病院や動物園の位置、公演・スポーツ競技日程など含まれる。加えて、地域住民のドローン飛行禁止要求などの事項も反映する。
次いで、各ドローンの飛行計画が、そのデータベースの情報に則ってつくられる。システムにアクセスすることで、プライバシーの侵害を最小化する飛行経路を設定するというものだ。なお飛行中に緊急事態が発生した場合には、例外的にプライバシー侵害の要件を排除し、目的地に最短時間で到着するために必要なコンティンジェンシー・プラン(緊急時対応策、危機管理計画)を実行するようにする。
ドローンには、さまざまなデバイスが搭載される。慣性計測装置(IMU)は、加速度計とジャイロスコープが含まれており、ドローンの運行方向を定める。圧力センサは高度を決定し、レーダー高度計を使用して精度を高める。超音波センサは、事物との距離を測定する。カメラは周囲の画像を収集して、障害物衝動防止、位置確認などを行う。マイクは、周囲の音を認識する。GPS情報だけだと、移動経路に約30メートルほど誤差が生じる場合があるが、さまざまなセンサを使用して、目的地に正確に移動・到達することを目的とする。
これらは、ジオフェンス技術やコンセプトを応用した特許と言えそうだが、実際に効果を発揮することはできるのだろうか。Googleがこの技術を普及させるためには、メーカーとの調整、ユーザーの意識向上や法制度などがセットにならなければ難しい。ドローンによるプライバシー侵害の問題を、解決するもっとも効率的かつ実用的な方法が何かが問われている。
photo by USPTO