障害者や高齢者の運動をサポートするために開発されたロボットスーツが、空港の手荷物搬入作業員の負担軽減のために導入された。
東京空港交通は24日、羽田空港バスターミナルの手荷物搬入作業員のために、ロボットスーツ10台を導入。詳細について、朝日新聞などが25日に報じた。
導入されたロボットスーツ、サイバーダイン社が開発した「HAL」。本来、HALなどロボットスーツは、歩行支援やリハビリサポートの目的で開発されることがほとんどだが、身体への負荷が高い労働現場でも応用が可能だとされてきた。
ロボットスーツは、装着者の皮膚についたセンサを通じて、体の微細な動きを感知。スーツ側に内蔵されたコンピュータに送信する。コンピュータはその信号を解析。装着者の動きを補助するという仕組みになっている。
東京空港交通は昨年秋、ロボットスーツを試験導入。作業員の腰の疲労感が減少するなどの効果があるとし、本格的な導入を決定した。東京空港交通は今後、成田空港などでの導入も検討している。
サイバーダイン社が、作業現場にHALを多く納品したのは今回が初めて。現在、約250台が日本全国の工場や倉庫などに導入されているが、どれも試験段階であることも報じられている。
日本の大手製造業メーカーの幹部は「ロボットスーツはまだまだ発展途中。重量の問題や価格の問題をクリアしなければ、一般に普及するのは難しいと思う。また、顧客の満足を得るためには、デザインや素材などの面でもさらに洗練される必要がある」と、ロボティアの取材に対して話している。
今後、ロボットスーツは作業現場にも広く普及していくのだろうか。各社の開発動向とともに推移を見守っていきたい。
photo by サイバーダイン