人工知能(AI)やテクノロジーの普及で、雇用がなくなる、もしくは「仕事が奪われる」という懸念が広まるなか、それとは逆に新たな雇用が創出されるというレポートが発表された。
韓国のシンクタンク・ソフトウェア政策研究所(以下、SPRI)は今回、「未来の仕事の金脈、ソフトウェア」というレポートを発表。同レポート内で、2025年までに自動走行車、仮想現実(VR)、3Dプリンティング、IoT、クラウドコンピューティングなど5大分野、約26万個の雇用(韓国国内)が創出されると予測した。
レポートは、コンピュータ、半導体、インターネットなどに触発された第3次産業革命について言及。「技術は、既存の仕事を消滅させると同時に、新しいそれを生みだす役割をする」とした。加えて「既存の雇用を保護するために、技術開発を遅らせたり、無視すると、既にはじまったグローバル競争から脱落する。(中略)新たな雇用を創出する戦略が必要」と強調した。
レポートは、今後もっとも多くの雇用が生まれる分野としてIoT(12万7578人)を、次いでVR(8万2813)、自動走行車(3万284人)などを挙げた。レポートが新しく創出されるとした仕事の半分以上(54%)が、ソフトウェア分野であった。例えば、データを収集・分析し、より良いサービスを提供する分析官や管理者、また人工知能などの技術を活用する新しいタイプの知識労働者などがそれにあたる。
レポートは「人工知能分野だけでなく、データ統合技術、インターフェイス技術に特化した人材を養成するため、ソフトウェア教育の内容と範囲を拡大しなければならない」とした。