中国・レノボが、飛行機の部品を塗装する作業に活用できるロボット技術を公開した。現地メディアによれば、レノボは「レノボテックワールド」(Lenovo TechWorld)で、塗装作業の効率を大幅に高めるロボットの開発について紹介した。
塗装が必要な飛行機の部品は数百種におよぶとされる。人間がこれを行おうとすると均一性を確保するのが難しく、また既存の自動塗料(spraying)システムを利用して塗装作業を進めるためにはロボットアームの調整や受注に時間がかかっていた。
レノボはこのような問題を解決するため、拡張現実(AR)、人工知能(AI)技術を採用した自律移動型協働「晨星」ロボットを開発し、塗装作業でユースケースを確認した。
レノボグループ副総裁兼最高技術責任者(CTO)である芮勇氏によれば、ロボットは製造スペースをスキャンした後、リアルタイムで3Dマッピングとレンダリング作業を行う。続いて位置認識機能を使用して指定された塗装作業エリアまで自律走行する。
続いてデュアル立体カメラを利用して、作業と周囲の状況に関する情報をリアルタイムで収集しエッジサーバーに集める。エッジサーバーは、3D映像をリアルタイムでARグラスに送信。作業者はARグラスを通じて状況を把握しながら、リモートコントロールでロボットを操縦することができる。まるで現場にいるかのように作業するのが可能となる。
一度、操作が行われると、ロボットは各部品の塗装作業を学習する。以降、同じ規格の部品について、ロボットは自ら塗装作業を実行できる。レノボは晨星を複数の状況あるいは多様なニーズに合わせてカスタマイズできると説明している。