世界の一部の建設現場では、労働者を支援するロボットが稼働している。レンガを積み上げるロボット「サム100」(SAM100)も、そんなロボットのうちのひとつである。
半自動石工(Semi-Automated Mason)の略であるサム100は、アームとコンテナベルトを使用して、一日に少なくとも1000個のレンガを積むことができる。米コンストラクションロボティクス(Construction Robotics)が開発した同ロボットは、人間と協力して作業を行う協働ロボットのように設計された。
企業側の説明によれば、サム100は人間のスタッフの作業効率を3〜5倍ほど高め、安全性も担保してくれるという。またコスト的にも安価だとする。
サム100は、リアルタイムで建設データを収集・提供することができるため、作業員の作業報告書を作成するのにも役立つ。管理者やスタッフは、コンピュータ、スマートフォン、タブレットなどを利用して、収集されたデータにアクセスすることができる。
コンストラクションロボティクスの共同創設者のひとりであるscott peters氏は、「もしあなたが建築デザイナーだとしましょう。デザイン上では、建物の角から約1m離れたところに窓がなければならないのに、実際の現場ではそうでない場合があります。そのような状況に対処し石工職人を助け、建築デザインを生かすため、ロボットを設計しました」と、開発経緯を説明している。
サム100は、すでにペンシルベニア州、ニューヨーク州、ミズーリ州、ワイオミング州など、いくつかの建設現場で活躍しており、現在はアラバマ州にあるオーバーン大学の工事現場に投入されているという。コンストラクションロボティクスはMULE(Material Unit Lift Enhancer)という機械も開発している。こちらは、最大61kgを持ち上げることができるリフト補助装置となる。
参照サイト
Photo by construction-robotics.com