想像力を備えたロボットを開発へ...米Vicarious社研究チームが成果報告

ロボティア編集部2019年1月23日(水曜日)

米スタートアップ・Vicariousの研究者が、想像力を利用して状況を事前に描き行動するAIロボットを開発したとして、その成果を発表した。

Vicariousは、数々のAI特許を保有していることで知られる米企業・Numentaの共同創業者・Dileep George氏が2010年に設立したAI研究会社だ。今回の研究には、Dileep George氏以外にも、iPhoneをハッキングし“天才ハッカー”と呼ばれたGeorge Hotz氏らが参加しているとされている。

現在のAI技術はまだ、ロボットが自律的に業務を行えるほどの能力を与えることができない。ロボットが扱う対象の形が一定であったり、特定のタスクを反復してこなすことはできるが、そうなると、対象の形が各々異なったり、対象の形によって作業を変える必要がある柔軟性が求められる作業現場では活用できないことになる。

ロボットが自律的にタスクを遂行するためには、まず外部の状況を自ら認知・推論して情報を解釈する能力が求められる。次に、その情報をもとに現状や未来の状況を予測し行動を選択できるようにしなければならない。

研究者たちは今回、明示的なコマンドなしに動作する自律的なロボットをつくるため、「視覚認知コンピュータ(Visual Cognitive Computer・VCC)」とプログラムを開発。またそれら技術とロボットアームを組み合わせた。サンプル動画には、ロボットアームが視覚から得られた図式情報を元に、レモンとライムなどを上手く仕分ける様子が収められている

George氏は、ロボットアームが明示的な指示がなくとも、さまざまなものを配置する作業に成功したとし、同研究が「常識」を持つロボットを開発するのに役立つだろうと説明している。

Photo by vicarious.com HP

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