超強力な紫外線で病原菌を撲滅するロボット・XENEX

ロボティア編集部2016年8月29日(月曜日)

 伝染病予防を徹底的に行うことで有名な米国のUSC総合病院に、先端ロボットが登場した。超強力な紫外線で、病室や手術室を完全に消毒する役割を担う。映画スター・ウォーズに登場する、R2-D2のようなロボット。名称は「XENEX」だ。

 XENEXを動作させると、頭の部分が持ち上がり光を放つ。光の正体は、日光より500倍も強い超強力な紫外線だ。細菌やバクテリアはもちろん、抗生物質でも撲滅できない「スーパーバグ(superbug=抵抗力の強いバクテリアやウィルス)」にも威力を発揮する。また光が届く場所であれば、奥まった場所でも完全に消毒する。

 米国ではMARSやSARSなどの伝染病患者が発生した場合、移送段階から徹底的に隔離。家族すら面会が厳密に禁止される。例えば、アーカンソー州にあるこのUSC総合病院では、患者の手術中に特異な細菌が発見されると、手術病棟全体を閉鎖するほどの徹底ぶり。

 また普段から感染予防教育を行い、業務における頻繁なチェックも欠かさない。USC総合病院の医師、スタッフ全員が徹底的に訓練されている。感染症予防と関連した規定を守っているか確認するため、スタッフが患者を装い“監督”することもあるそうだ。

 米国では、原則としてひとりの患者がひとつの病室のみを使用する。これも感染の危険性を防ぐためだ。感染予防関連の規定に違反・摘発されれば、莫大な罰金を課せられる。XENEXのようなロボットは、そのような米国の病院の需要に応えるものと見られている。