オーストラリアの研究機関がロボットで最適な抗がん剤を選別

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photo by ACRF

 豪がん研究財団(ACRF)小児がん個別化医療センターでは、がんを患った子どもたちの治療のために、専門のロボットが年中休まず、何百もの治療薬を猛スピードで検証している。もともと新薬開発を目的に設計された同医療センターだが、ロボットは各子どもが抱えるがん細胞に対する既承認抗がん剤、またその組み合わせの効果を検証。がん細胞を死滅させることができる可能性が最も高い薬を見つけるのに用いられている。海外メディア・Gizmodoがその詳細を報じている。

 ACRFから150万ドルの補助金を受けた同医療センターは、豪連邦の総督で小児がん研究所の後援者ピーター・コスグローブ(Peter Cosgrove)氏の指揮により正式に開設した。同医療センターは、ロボット、既承認薬ライブラリー、拡張された腫瘍バンク施設、組織培養施設、最先端の検査データ管理システムなどを擁する。

 同医療センターはまた、小児がん研究所とシドニー子ども病院小児がんセンターが率いる国家プロジェクト・小児がん撲滅プログラム(Zero Childhood Cancer program)の活動本部でもある。同プログラムは、これまでにオーストラリアで取り組まれたもののうち、最も大規模な小児がん研究プログラムのひとつとなる。小児がん研究所の事務局長ミシェル・ハバー(Michell Haber)教授は、「より良い治療選択肢が早急に求められている」と話す。

 「オーストラリアでは毎週3人の子どもががんで亡くなる。標準治療では手の施しようがなくなった時、がんの子どもたちには治療の選択肢も時間もほとんど残っていない(中略)ACRFに提供していただいた機器・設備によって、的を絞った抗がん剤を迅速に見つけ出し、治療法の決定に間に合うように医師への提案が行える」(ハバー教授)