脳波で制御するテレプレゼンスロボット…豪の若き才女が開発

ロボティア編集部2017年1月23日(月曜日)

 備え付けられた画面などで顧客対応などの業務を行う遠隔コミュニケーションロボット・テレプレゼンスロボットは、体が不自由な人々の社会的な活動範囲を広めてくれるツールとして注目を浴びる。 

 最近、オーストラリアでは、脳波で制御するテレプレゼンスロボットを開発した人物マリタ・チェン(Marita Cheng、27歳)が改めて称賛を集めている。 「今年の若いオーストラリア人2012」にも選ばれた過去を持つチェン氏、ユーザーが望むように動くテレプレゼンスロボット「テレポート(Tleleport)」を開発している。 

 テレポートは、「マインドウェーブ(MindWave)」と呼ばれるブレインコントロールインタフェース(BCI:brain control interface)を通じて、ユーザーが左右、前後に移動させることができる。タブレット、カメラ、およびアンドロイドフォン・コントロールが搭載されており、ユーザーは画面の向こう側を見たり、会話することができる。 

 チェン氏は、メルボルン大学(University of Melbourne)でメカトロニクス(機械工学、電気工学、電子工学、情報工学の知識・技術を融合させることにより、従来手法を越える新たな工学的解を生み出す学問・技術分野)とコンピュータサイエンスを学んでおり、上半身の運動が制限された人々のためにテレポートを開発した。 

「この機能をすべての人に提供することができたらと思いました。プラットフォーム化すれば、より有用になると確信している(中略)テレポートは単にスクリーンに対面したり、会議に出席したりというレベルではなく、リモートで行きたいところに行ったり、見たいものを見たり、言いたいことを言うという風に使うことができるかもしれません」(チェン氏) 

 スタートアップ企業・オウボット(Aubot)で発売されたテレポートの価格は、3800ドル。昨年11月から、さまざまな団体や組織に提供されている。チェンは「がん闘病中の若者がリモートで学校生活に参加する目的などで、5台のテレポートが活用される計画だ」としている。なおチェン氏は、2008年以降、少女たちにロボットを教える組織「ロボギャルズ(Robogals)」を通じて、世界10カ国6万人の女性が工学のキャリアを積むことができるよう支援している。

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