アップル、感情分析AI開発ベンチャー・エモーシェント買収

ロボティア編集部
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ポール・エクマン
ポール・エクマン photo by paulekman.com

 エモーシェントの諮問を担当している心理学者ポール・エクマン(Paul Ekman)氏は、感情認識技術のパイオニアだ。彼は1970年代に、微細な顔の表情の変化がどのように人間の感情を現わすかを示すために、5000個以上におよぶ顔の筋肉の動きリスト化した。

 フェイシャルアクションコーディングシステム(Facial Action Coding System)と呼ばれる同システムは、人工知能アルゴリズムを利用して感情を読み取る技術を開発するスタートアップの基礎技術となる。
華やかな技術が世に出てくることが期待される一方で、技術の利用には懸念も残る。その技術に対して懸念を発しているのは、他の誰でもないポール・エクマン氏だ。

 エクマン氏によれば、人間が内面世界に抱く感情を読み取ることについては倫理的課題があるという。エクマン氏は昨年初め、メディアのインタビューに対し、感情を読み取るソフトウェアの可能性と、人々のプライバシーを侵害する可能性の間で葛藤していると明らかにした。

 エクマン氏は、感情認識技術が人々の同意なしにその感情を読み取ってしまう場合があるとし、またその感情が誤って解釈される可能性もあると指摘している。買収の報せの後、ウォールストリート・ジャーナルが再びエクマン氏をインタビューしているが、その懸念はまだ晴れていない。エクマン氏は、エモーシェント側に対して、顔をスキャニングする際にその事実を人々に警告しなければならないという趣旨の言葉を伝えたともしている。

 エモーシェントの代理人はこれに対し、「会社は個々人の情報を公開せず、総データについてのみ公開している」と述べている。

(ロボティア編集部)