韓国で行われたイベントで、アップル共同創業者のひとりスティーブ・ウォズニアック氏が放った言葉が注目されている。1976年にジョブズとともにアップルコンピュータを設立したスティーブ・ウォズニアック氏は、1987年にアップルを去るまで「アップル2」、世界初のマウスを導入した「マッキントッシュ」などを開発した人物である。
「もし今25歳だったら、人工知能(AI)で動く無人自動車の核心技術である、映像処理チップを開発したい」
スティーブ・ウォズニアック氏は、18日に韓国の創造経済イノベーションセンターで開かれたイベント「DMZ 2.0音楽と会話」で、聴衆との質疑応答に際してそのように答えた。スティーブ・ウォズニアック氏は「将来的に人間がAIのペットにもなりうる」とし、「コンピュータがますます人間の役割を担う」と述べた。加えて「マシンラーニングが可能となったコンピュータが、人間の仕事の80%を代替えする」とし「スマートフォンがSiriなどの音声認識機能を備えながら、ますます人に似てきている」と話した。
ここ最近、多くの経営者や専門家、研究者が、ロボットやAIが近い将来人間の能力を一定以上代替えすると予想しているが、スティーブ・ウォズニアック氏のそれは、かなり積極的な発言と分類することができるだろう。
一方で、スティーブ・ウォズニアック氏は、アップル(Apple)社の未来戦略に対する個人的な所見も披露。「アップルが過去にハードウェアで変化を図ったが、これからはソフトウェアでイノベーションを起こさなければならない」とし「イノベーションを続けるために、PCとスマートフォンなど電子製品だけでなくAI、無人自動車の開発に乗り出すだろう」と述べた。またビジネスに直接関与していないものの、アップルが放送コンテンツに関心を持っているとも伝えた。なお、アップル社は21日、電気自動車(EV)開発を「注力プロジェクト」に指定し、出荷目標を2019年に設定したという報道があったばかりだ。スティーブ・ウォズニアック氏の発言とはタイミングが前後するが、アップルが今後進む方向の輪郭がにわかに明らかになりつつある。
ティム・クック、アップルの最高経営責任者(CEO)については、「iPhone6の画面が大きくなり、アップルが独自路線を脱し(サムスン電子など)、他のメーカーと競争することになった」とし「スティーブ・ジョブズが生前にこだわった小さな画面のiPhoneを放棄したことで『スティーブ・ジョブズドグマ(独断)』から脱した」と評価した。彼は「ジョブズが生きていれば、クックの決定に満足しただろう」とも話した。
(ロボティア編集部)