ロボットとAIの発展は中国により多くの雇用をもたらす...英リクルート企業が調査

ロボティア編集部2018年1月31日(水曜日)

人工知能とロボットの発展により、中国でより多くの雇用が生まれるとの意識調査の結果が発表された。

英リクルート企業・マイケル・ページ(Michael Page)は、中国の製造、販売、マーケティング、財務会計業界の従事者1026人を対象に調査。結果、回答者の84%が「ロボットの存在を気にしない」と答えており、58 %は「ロボットとAIがむしろ労働市場に多くの機会を提供する」と予想しているという。一方、「人間が労働市場から追い出される」と答えたのは18%に過ぎなかった。回答者の約半数(48%)は、ロボットとAIによる労働市場の変化が5〜10年以内に起こると予想している。

マイケルページチャイナのピーター・スミス(Peter Smith)専務は、「人々は技術を恐れるのではなく、技術の進歩により革新的な仕事が生まれることに期待している(中略)特にそれらの見通しは、自律走行車のように開発に多くの高熟練者が必要なプロジェクトで顕著」と傾向を伝えた。加えて「ロボットとAIの採用は、様々な産業分野のアップグレードを意味する」とし、「人々がより多くの余裕と余暇時間を持つことができるため、サービスやライフスタイル関連の業界で雇用が増える効果をもたらすだろう」とも付け加えた。

一方、スミス氏はロボットおよびAI技術が、単純な反復作業や簡易な仕事にネガティブな影響を与えると認めている。例えば、受付業務、初級会計、銀行業務、広報分野などは脅かされる可能性が高いと指摘している。言い換えれば、雇用機会の増加は創造的かつ技術的な領域のみ限定されるという結論になりそうだ。

マイケルページチャイナのアレックス・クー(Alex Gu)ディレクターは、「ロボットやAIによってもたららせる仕事の危機を、従業員たちに強調するのは時期尚早(中略)現在、ほとんどのロボットは労働市場において単純な補完の役割を果たしており、仕事全体の地形を変えるには数年かかるだろう」と述べている。

グローバルコンサルティング企業・ローランドベルガー(Roland Berger)は、AIが2030年までに、インターネット、車、小売、金融、医療の分野で中国に10兆元の付加価値を生むと予想しているが、クー氏は「5年以上の経験を持つ求職者を中国では見つけるのは難しいので、AI導入が進む米国、日本、インド、イスラエルから人材を受け付けている(中略)時間が経てば、企業が独自研究および教育を通じて現業に投入することができるようになるだろう」と見通しを語った。

中国政府は、2016年7月に13次5カ年計画(2016-2020)で、ロボットとAIを主要技術に設定。2030年までにAI理論、技術、応用面で世界市場をリードしていくと宣言している。

Photo by Saad Akhtar(via flickr)