海中を自由自在に泳ぐウナギ型ロボットがかっこいい...ノルウェー企業が開発

ロボティア編集部2016年4月23日(土曜日)

 ウナギのようなフォルムを持ち、実際に水中を航行しながら作業するロボットが登場した。このウナギ型ロボットは、ノルウェー科学技術大学(NTNU)内に設立されたエリューム(Eelume)というスタートアップが開発したもので、海中探査に加え水中にある機器の点検・修理までこなすという優れた性能を持つ。NTNUはこれまで10年間、ヘビやウナギのように動くロボットを開発してきた。

 動画に出てくるロボットの姿は神秘的。先端部にある目のような部分が発するオレンジの光が、温かみを感じさせる。見方によってはウナギではなく、龍のようにも見えなくもない。動きも非常に自然で、まるで生物そのものだ。なにより、デザイン的にかっこいいという点が、見ている人たちを飽きさせない。

 エリュームはこの水中作業用ロボットをひっさげ、世界的な海洋機器メーカー・コングスベルグマリタイム(Kongsberg maritime)、ノルウェーの石油会社・スタトイル(Statoil)と業務協約を結んだ。ウナギ型ロボットは今後、人が進入することが難しい海底構造物や、器機を検査するために使われる予定だ。

エリューム_ウナギ型ロボット
photo by ship-technology.com

 エリューム側は、狭いスペースでも入り込むことができ、鉗子のような口先部分で海底機器のバルブを締めたり緩めたりすることも可能だと説明している。これまで水中や海中での作業には、高価かつ大型の器機を投入しなければならなかった。ウナギ型ロボットを作業に投入することで、コスト削減も期待される。

 なお、このウナギ型ロボットはソフトロボットの部類に分類することができる。ソフトロボットとは、柔らかい材料できており、可動性が高いロボットを指す。密閉空間や狭い通路など人が入りにくい場所での作業を可能にしたり、人間との協業時に接触などのリスクを軽減できるものとして、世界各地で開発が進められている。