水中ロボットメーカー・アクアボティクス(Aquabotix)が、水のなかで群集行動を行うロボットを公開した。公開された映像では、ロボットの群れが海面・海中で複雑な動作を行うシーンが確認できる。群集ロボットの単体の長さは約0.7m。水面で活動しつつ、コマンドが入力された際には最大50mまで潜水することができる。主な用途は海洋生態調査だ。
アクアボティクスが開発するような群集ロボットは、ロボティクス領域でも特に高い関心を集めている分野のひとつだ。その理由としては、ロボットを単体で活動させるよりも、群集で活動させた方がこなせるタスクが増えるなどのメリットがあるからだ。また、群集型のロボットがカバーできる範囲は、単体で稼働するロボットよりも広い。仮に単体に故障や不具合が起きたとしても、全体のオペレーション能力が急激に損なわれることもない。
加えて、高度な技術を備えたロボットをひとつ作るよりも、コスト面で優位となる場合がある。
現在、多くの研究者や企業が群集ロボットや群集飛行するドローンを開発している。
2017年9月、ベルギー・ブリュッセル自由大学(VUB)の研究者たちは、感覚と運動制御能力を維持しつつ、自らの体を変更して自己治癒する群集ロボットモジュールを開発した。米国防高等研究計画局(DARPA)も、レイセオン(Raytheon)など大手軍需メーカーとともに、歩兵部隊を支援する群集ドローンおよびシステムを開発している。
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