海中のマイクロプラスチックを発見する「水中ロボット」12歳の米国少女が開発

ロボティア編集部2018年10月31日(水曜日)

米国に住む12歳の少女・Anna Duさんが、海中や砂浜からマイクロプラスチックを発見することができる遠隔制御型水中ロボット(ROV:remote-operated vehicle)を開発した。毎年、世界の海には800万トンに達するプラスチックが蓄積されるというが、マイクロプラスチックは発見・回収が容易ではない。

Anna Duさんは、ボストン南部キャッスルアイランドのビーチを歩いていた際に、非常に小さいサイズのマイクロプラスチックが多く、発見することが容易ではないという事実を知り、ROV開発に乗り出した。彼女は、Broadcomが毎年開催するSTEMコンテスト「ブロードコムマスターズコンテスト」の最終選考者30人の中に入るほど、科学分野でその能力をすでに認められている。

開発されたROV「Nereid Jr」は、PVCパイプを素材として使用。ナビゲーションシステムと発見システムで構成されている。発見システムは、高解像度の赤外線カメラを搭載しており、ふたつの異なる波長を用いて微細プラスチックの吸収スペクトル(absorption spectra)を外部に露出する。赤外線LED光線が変化する波長を利用して、マイクロプラスチックと他の要素を分離してくれる。

Nereid Jrは、マイクロプラスチックを回収することはできないが、発見する手助けをしてくれる。Anna Duさんは、自ら開発したROVの重要要素に関して特許を申請している。今後、人工知能システムを活用して、マイクロプラスチックが蓄積されている箇所を予測するアルゴリズムをつくる計画だ。また、ROVではなく自ら水中で自律移動できるAUVロボットの開発も検討している。

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