中国中車の傘下企業が世界最大馬力の水中ロボットを開発

ロボティア編集部2018年7月24日(火曜日)

沈没した船舶の引き上げや海洋施工が可能な世界最大馬力の大深度高機能無人探査機(ROV)が中国で開発された。

中国最大の高速鉄道会社・中国中車(CCRC)の研究所である中車株洲電気機関車研究所(ZHUZHOU INSTITUTE)傘下の上海中車艾森迪海洋装備有限公司は、中国最大馬力の水中遠隔制御ロボットを公開した。中国中車が英・深海設備メーカーSMD買収後に初生産したROVとなる。同ROVは、深度数千メートルまで潜ることができるだけでなく、数トンの重量を持ち上げることができるため、深海でのミッションに大きく寄与すると期待されている。

自律型ROVは主に二種類に分けられる。ひとつは観測用で、海洋調査などに使用される。比較的、消費電力が少ないのが特徴である。もうひとつは産業用で、海洋災害救助や海底施工業務等に使われる。観測用に比べて消費電力が大きいが、一般的に150馬力を超えない。

今回新たに開発されたROVは、深海で沈没した船舶の引き揚げなど緊急救助活動、また海洋施行業務の補助作業への活用が念頭に置かれていて、最大出力は250馬力。これはBMW X6に相当する。同ROVのサイズ自体はそれほど大きくなく、重量も約5トンだ。しかし、強力な出力を持つため、深さ3000メートルの深海でも4トン規模のものを持ち上げることができるという。

同ROVの公開は、中国の海洋救助・施工領域に成長をもたらす重要なターニングポイントになると分析されている。