水質汚染の発生源を見つける「ウナギ型ロボット」登場…自律移動も可能

ロボティア編集部2017年7月27日(木曜日)

 スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL:Ecole Polytechnique Federale de Lausanne)が、水質汚染の発生源を正確に見つけ出すウナギ型ロボット「エンビロボットEnvirobot」を開発したと公表した。EPFLは現在、「スイス・ナノテラプログラム(Swiss NanoTera Program)」の支援を受け、同ロボットの開発プロジェクトを進めている。

 様々なセンサーを搭載したウナギ型ロボットは、化学・物理・バイオセンサーを搭載しており、長さは1.5mほど。遠隔操作および自律移動が可能で、内部に搭載したセンサーを通じて水質を評価し、リアルタイムでデータをオペレータに送信する機能を持つ。

 水中ロボットは水中を遊泳する過程で海藻にひっかかったり、汚染された場所をより混濁させる恐れがある。しかしエンビロボットは水上を泳ぐので、それらの不安には当てはまらない。

 EPFLの研究者はすでに、ジュネーブ湖で同ロボットをテスト。ジュネーブ湖の一定エリアに塩を散布した後、水分伝導(water conductivity)と水温に関するマップを作成している。EPFLバイオロボティクス研究所(BioRob)のAuke Ljspeert所長は「エンビロボットはプログラミングされた経路を移動したり、汚染された場所を見つけるために自ら移動することができる」と説明している。

 ウナギロボットは、いくつかのモジュールで構成されており、各モジュールには電気モーターが搭載されている。接続するモジュールの数に応じて、ロボットの長さが変わる。移動時には、モジュールを取り外して持ち歩くことができる仕様だ。またそれぞれのモジュールには、水中伝導センサーと温度センサーが搭載されている。そして、いくつかのモジュールには、測定する地域の汚染水ときれいな水を別々に分離・保管して細菌や魚の細胞(fish cell)を入れて反応をうかがうことができるようにもなっている。

Photo by YouTube