巨艦が遂に参入…インテル初「産業用ドローン」公開

ロボティア編集部2016年10月13日(木曜日)

 インテルが、自社商標を掲げたドローン・ファルコン8+を北米市場に投入する。サイズは768× 817×160mmで、重量は2.8㎏だ。またインテル・コクピット(Intel Cockpit)と、タブレットベースの移動基地局も提供。片手で操作できるジョイスティックや、防水ユーザーインターフェイスも備える。ただし、価格や発売日程などの詳細情報は公開しなかった。

 インテルは、PCなどの市場以外で、プロセッサなどの技術を販売できる機会を模索してきた。特にスマートフォン市場での不振後、その傾向は強まっている。

 これまで、消費者向けドローン市場については、中国・ユニーク(Yuneec)社の機体・タイフーンH(Typhoon H)を通じて、進出の機会を狙っていた。タイフーンHは、インテルのリアルセンス・コンピュータビジョン・プラットフォームを搭載しており、障害物を回避・飛行することができる。インテルはまた、インテル・エアロプラットフォーム(Aero Platform)を公開。開発者が直接ドローンを製作できる環境も整えてきた。

 その他にも、インテルはドローン関連技術を強化するために、かなりの規模の投資を進めてきた。今年1月には、オートパイロット(自律飛行)など、ソフトウェア開発企業である、ドイツのアセンディングテクノロジー(ascending technologies)を買収。先月9月には、低消費電力、高性能SoCプラットフォームなどの開発企業・モビディウス(Movidius)を買収している。モビディウスは、DJIなどのドローンメーカーにチップを供給している。

 アメリカを含む多くの国では現在、商用および一般消費者向けドローンの規制を徐々に緩めている。これは、インテルにとっても追い風となりそうだ。米連邦航空局(FAA)は、6月に商用ドローンのガイドラインを発表したが、「パイロットの視界から外れてはならない」という制限を解除しなかった。現在、米業界側では、ひとりの操縦士が、複数台のドローンを視野外まで飛ばすことができるよう要求している。

 なお、インテルのブライアン・クラーザーニッチCEOは、FAA諮問委員会の議長を務めており、アメリカの無人機システム統合のための政策に助言を行っている。

photo by Intel