UBERが自ら「ドローンタクシー」開発か...先端技術センター設立に2000万ドル投資

ロボティア編集部2018年6月7日(木曜日)

5月24日、米国で行われているエレベーターサミットで、自動車配車アプリ・サービス展開をしているウーバー(UBER)が、垂直離着陸航空機(VTOL)を利用した都心型「ドローンタクシー」サービスを2020年に発表するとした。 同社は今秋、フランス・パリに先端技術センター(ATCP)を開設し、2000万ドル(日本円で約22億円)を投資するという。

同社関係者は「世界最高レベルのグローバル航空技術力をリードするためには、フランスは新しい技術のイニシアティブを促進できる完璧な場所」としている。 ATCP設立のため、人工知能(AI)・機械学習(ML)・航空交通管制(ATC)・屋上充電所・都市計画専門家などを大量に採用し、フランス名門高校エコル・フォリテクニックとの協力も計画している。すで2016年から技術センター(ピッツバーグ・トロント・サンフランシスコ)を稼動しており、パリATCPは運送需要が高いため欧州市場進出の拠点となる見通しである。

ウーバーは、「機械学習を基盤とする運送需要モデリング」「高度化された低空飛行・航空交通管理シミュレーション」「革新的な航空輸送ソリューション」などを欧州航空安全庁(EASA)に承認を受け、地上・空中で輸送支援できるスマートグリッドの構築を目指している。

同社ドローンタクシーシステムは、利用者がアプリで予約し、建物屋上にあるドローン乗り場で搭乗。着陸後は、ウーバータクシーを利用するなどの順で最終目的地までたどり着くというものだ。すでに3つのドローンタクシーのプロトタイプを公開しており、自律飛行システムの実現に向け機体を全電子式で設計しつつ、未来エネルギー規制対応・エコ電気エネルギーをベースとしたモデルを開発している。

なお、ほとんどのドローンタクシー会社がAIによる無人・自律飛行を推進するなか、同社のパイロット搭乗型ドローンタクシーは目を引く存在である。通常時は自律飛行システムで運転し、緊急時には乗客安全のためパイロットが直接手動で操作する方式だ。

ウーバーの他にも、中国「イーハン」、ニュージーランド「キティホーク」などのドローン会社も、自律飛行ドローンタクシーの研究・開発に注力している。 大手企業エアバス、トヨタなども未来の航空運送システムの研究・投資をしており、潜在成長が大きいドローンタクシー市場に注目が集まっている。

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