中国国内第2位の通信社・チャイナユニコムが、「ドローン基地局」の実験動画を公開した。ドローン基地局は、救急災害時などにサービスを保証するために使用される見通し。チャイナユニコムはこれまで、20Wマクロ基地局を搭載できるT-UAV(Tethered UAV)と、2×5Wマイクロ基地局を搭載したドローン基地局を開発してきた。
従来の緊急通信システムは、主に緊急通信車両などに搭載され、地震など災害時に活用されてきた。ドローン基地局は、道路の崩壊、もしくは通信障害が起こり、緊急通信車両が投入できない局面での使用が期待されている。また緊急通信車両の場合、アンテナの高さに制限があり、広い面積を対象とした通信が不可能だったが、ドローン基地局はそのような欠点を克服できるとされている。
米通信大手・ベライゾン、AT&T、スプリントも、スポーツやイベント会場などでドローンを無線通信基地局として使用するテストを行っている。KDDIと韓国・KTも同様の実験に着手している。
中国企業は、ドローン基地局の開発以外の領域でも、通信とドローンの結合に積極的だ。3月、チャイナテレコムとファーウェイは、5Gネットワークベースのドローンを飛行させるテストに乗り出した。両社は、中国初となる「Device to Device 5Gネットワーク」を利用したドローンのテスト飛行を敢行。ドローンが360°の全景を4Kでリアルタイム伝送したり、遠隔制御やVR体験を可能にするための実験が進められている。