日本がシェア6割のMLCC...輸出規制で韓国5Gインフラ構築に打撃か

ロボティア編集部
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Photo by KT HP

韓国では、通信機器メーカーが基地局装置を生産する際に必須となる「積層セラミックコンデンサー」(MLCC)の輸出規制の行方について関心が高まっている。MLCCの世界シェアは、日本企業が半分以上を占めている。KT、LG、SKテレコムなど、韓国の移動通信大手3社は2019年4月3日に世界初の5G商用化に成功。その後、ビルや地下鉄などのエリアへと、インフラ拡大に乗り出している。しかし、機器の納品が遅れればサービス拡張に一定の支障がでるのは不可避。今後の日本の動向に注目が集まっている形だ。

MLCCは、スマートフォン、電気自動車、IoT機器など、さまざまな電子機器で使用される部品だ。5G基地局1つ当たり、1万6000個が必要とされている。韓国移動通信3社が年内に構築予定の5G基地局は23万台とされているが、そうなると約37億個のMLCCが必要となる。

ユージン投資証券によると、MLCCの世界市場シェアは、村田製作所、TDK、京セラなど日本企業が60%以上を占める。その後に、サムスン電機(24%)、Yageo(7%、台湾)が続く。サムスン電子、エリクソン、ノキア、ファーウェイなど、韓国国内で基地局装置を完成品として生産供給する機器メーカーは、その半分以上のMLCCを日本から仕入れているという。

韓国通信機器業界の関係者によれば、日本が輸出規制品目にMLCCまで含めると、サムスン電子から中小規模メーカーまで直撃を受けるとし、短期的にはサムスン電機やYageoなどの製品で代替供給することができるが、長期化すれば5Gインフラ構築に悪材料として作用する可能性があるとする。

韓国政府も対策に乗り出した。科学技術情報通信部は、日本がMLCCの供給を中断する可能性を考慮しサムスン電機と対応策を議論。供給を増やし不足量を補ってほしいとサインを送っている。

なおMLCCは用途に応じて、IT用と電装用に分けられる。電装用MLCCの需要は、電気自動車の生産量の増加に応じて急激に増える傾向を見せている。IT用MLCCに比べ価格が3〜10倍高い。そのため、サムスン電機はMLCCの生産ラインを電装用、また工業製品生産用に変え、中国・天津に電装用に特化したMLCC生産工場も建設する。

一方で、IT用MLCCは、モバイル市場の需要減少や米中貿易紛争の影響で供給量が減る気配だ。サムスン電機によると、第2四半期のIT用MLCCの平均販売価格(ASP)は10%以上下がった。サムスン電機にも、しばらくIT用MLCCのライン増設計画がないことも分かっている。