8月27日、韓国・科学技術情報通信部は、遡ること22日にサムスン電子・LG電子・SKテレコム・KT、LGユープラスなど通信大手に対し、「最新のスマートフォンにも消費者の選択の余地を維持し、海外との関係で逆差別が発生しないよう継続的な協力を要請したい」という内容の公文書を送ったことを明らかにした。また、「消費者の端末選択に関連し、各社の提案がある場合、30日までに提出してほしいと」と公文書は指摘しているという。
科学技術情報通信部は今月初め、サムスン電子と移動通信大手3社と会議の席で、GalaxyNote10の5GバージョンとともにLTEバージョンも発売するよう勧告した。今月中旬には、改めて口頭でLTE版の販売を要請している。
サムスン電子が8月23日に公式発表した、下半期最大の目玉であるGalaxyNote10は、韓国国内では5Gモデルのみ販売される。 5Gモデルのみ発売されている国は韓国が唯一となる。5Gの商用化前のヨーロッパではLTEバージョン、米国では5GとLTEの両バージョンが発売される。
LTEフォンユーザーが多数であり、5G網はまだ正常に構築されていない韓国国内の実情があるなか、科学技術情報通信部は韓国の消費者にLTEバージョンの選択の余地がないことは納得しにくいとし、今回の勧告にいたっている。一部関係者のなかでは、政府による圧迫がかなり強いとの分析もある。各社の中でも、端末を製造するサムスン電子は最も困惑しているという。
ロボティア編集部の取材に対し、5Gの商用化においては「韓国が最も早く進んでいる」と外資系通信機器メーカー幹部は証言する。韓国国内には、コリアテレコム(KT)、LG U+、SKTなど大手移動通信事業者があるが、そのうちLG U+は今年末までに6万局の基地局を設置。全国90%を5G通信網でカバーすると宣言している。LG U+の5G関連サービスへの加入者、つまり5Gに対応したスマホの契約数は、サービス開始から20日間で8万、6月13日の時点で100万回線に達している。他のキャリアも合わせると、すでに5G対応スマホが約200万回線ほど使われているだろうというのが同幹部の指摘だ。
世界的に5Gの普及が始まるなか、政府による消費者保護の観点と、企業の販売戦略の間に齟齬が生じている韓国。採取的にどのようなモデルでサムスンの目玉商品が販売されることになるのか注目したい。
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