ホワイトハウスの秘密情報局(SS)が、就任後初の長期休暇をとるドナルド・トランプ大統領を警護するため、最先端のドローンを投入する。海外メディアによれば、米国土安全保障省(DHS)が、トランプ大統領の最初の休暇場所となるニュージャージー州ベッドミンスターの「トランプナショナルゴルフクラブ」に、最先端のドローンを飛ばすことにしたという。
SSはこれまで、大統領警護のために有人偵察機を活用してきた。しかし騒音がうるさくパトロール範囲が制限されているという欠点が提起されており、今回の大統領の休暇をきっかけにドローンをテストすることを決定したという。
導入されるのは360度回転が可能なドローン。赤外線カメラが装着されており、偵察対象となる潜在的な脅威を事前に捕捉することができる。今回はトランプナショナルゴルフクラブを90~120mの高度で飛行し、コースを回るトランプ大統領の行動を見守る予定だそうだ。
SSは今回投入されるドローンの仕様について正確な言及を避けているが、試験結果を参考に、今後の大統領警護にドローンを活用するか否か決定していくと説明している。
なお一般的なドローンは、一度の充電で平均20分程度の飛行時間となっているが、スパイ・イン・ザ・スカイはゴルフクラブからケーブルで電力の供給を受け、飛行時間がより長くなると推察されている。また木など障害物を自動的に避けたり、対象を自律的に追跡するプログラムが適用されることも明らかになっている。
さまざまなレーダーやセンサーを搭載できるドローンを監視・警備目的で活用する潮流は世界的に増えはじめているものの、今回のテストついてはプライバシー上の懸念も浮上している。というのも、トランプナショナルゴルフクラブが個人社宅に囲まれているという地理的条件があるからだ。意図せずともプライバシー侵害を起こしてしまった場合、新たな議論の的となる可能性も否定できない。
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