【全米初】ノースダコタ州で警察のドローン配備が合法化

ロボティア編集部2015年8月26日(水曜日)

 米ウェブニュースサイト「ザ・バージ(The Verge)」は、米ノースダコタ州で警察が武器を搭載したドローンを使用できるようになったと、8月26日に報じた。警察が使用するドローンには電気ショックを与えるテーザーから催涙ガス、ゴム弾などが装着されている。

 警察のドローン使用は、リック・ベッカー議員が発議した法案が可決されたことで可能になった。リック・ベッカー議員は、警察の権力を制限することを主張。警察の鎮圧の過程で犯罪者が死亡に至るのは、米国で長い間議論がされてきた。 米紙「ガーディアン」によれば、米国で警察による死者数は今年759人にのぼる。

 そもそもリック・ベッカー議員は、あらゆる武器をドローンに搭載できないようにすることを主張していた。しかし、ロビー集団が法案修正を要求。最終的には非殺傷兵器のみを許可する方向に法案が可決された。これによりノースダコタ州は、米国内で武器を搭載したドローンの使用が可能になった最初の州となった。

 ザ・バージは「警察がドローンを遠隔操縦することは、警察権の乱用を抑制するのに役立ない」と批判を寄せている。また、「ノースダコタ州は、米連邦航空局がドローンの飛行を1200フィートまで許可している唯一の単一の地域」との懸念も示した。法案を提出したリック・ベッカー議員は「ドローンが武器化されてはならないという点は、譲歩できない。今回の法案通過に完全に同意できない」と話している。

 そもそもドローンは軍事用に開発された。 2010年にパキスタンとイエメンに加えられたドローン爆撃で3千人の死者が発生している。米国政府は、非難が激しくなったためドローンを利用した攻撃を減らしている。また、先日とある米国の青年はドローンを拳銃で武装させた姿をユーチューブに公開した。米連邦航空局と地方政府当局は、製作者がどのような法案も犯していないと結論づけた。そこに来て今回の決定である。米国の警察が武器を装備したドローンを使用できるようになったが論争はしばらく続きそうな気配だ。