韓国産国境監視用ドローンが東南アジアにテスト輸出

ロボティア編集部2016年10月8日(土曜日)

 サーモグラフィ画像を撮影可能な韓国産ドローンが東南アジアに供給される。撮影用機器メーカー・バラボン(varavon)と、ドローンメーカー・ユーマックエアー(umacair)は、東南アジア4カ国にサーモグラフィカメラとズームカメラの2台を搭載したドローンを供給すると明らかにした。詳細としては、インドネシアに2台、シンガポールに1台、タイに1台、ミャンマーに1台をそれぞれ供給する。

 サーモグラフィカメラが搭載されたドローンは、空から山や森を撮影し障害物に隠れた人物・物体も把握できるため、遭難者捜索や警備のために活用することができると期待されている。

 今回、東南アジアに導入される機体は、すでに韓国電力に4機供給されており、送電塔のチェックなどに活用されているという。一方、東南アジア4カ国では、国境地域の監視目的でドローンが活用される見通しだ。価格が1台当たり10万ドルを超える機体だけに、国防関連予算で費用をカバーする計画となっている。

 今回の供給はモデル事業としての性格が強く、ドローンの性能が評価されれば追加導入になる道筋もあるという。バラボン社の関係者も「来年、性能が改良された製品を供給する計画だ」と明らかにしている。

 なお、両社は映画撮影やバーチャルリアリティ(VR)など、特殊な目的に利用する産業用ドローンも開発していく計画。ユーマックエアーのチェ・ジョンピル代表は「今年、アメリカ市場で産業用ドローンを発表後、問い合わせが増えている(中略)製品カテゴリに合わせて、カスタマイズされたドローンを追加で開発していく計画だ」としている。

 一方、バラボン社のキム・ジョンチョル代表は「最近、動画市場ではサーモグラフィ監視、360度VR映像など、特殊撮影技術の需要が増えている(中略)市場の需要に合わせた新技術の開発を進め、映像撮影の市場をリードしたい」としている。

 なお、バラボンは、シンガポールで先月28日から30日まで行われた「アジア安全セキュリティ博覧会(Safety Security Asia) 2016」で、マーライオン賞を受賞。これは、シンガポール国土部長官が、革新的な製品を開発した企業に与える賞となっている。韓国、および地元メディアによれば、東南アジアの輸出に肯定的な影響を与えるだろうという評価だ。