高速道路の違反取り締まりに、ドローンを投入するという動きがある。韓国では、1月の連休シーズンおよび帰省ラッシュ(韓国では旧正月を祝うため連休となる)に、ドローンを投入する計画だという。これは、韓国国内でも初めての試みとなる。
韓国・国土交通部は、1月26日から30日までの5日間を「旧正月連休特別交通対策期間」として定めた。これは、増加する人の移動を見越して、公共交通機関の運行本数を増やすというもの。また、その期間には安全キャンペーンも広く行う。
そこで、韓国・国土交通部と韓国道路公社は、同期間に高速道路における割り込み、路肩走行、指定車路(韓国では高速バスなど車両によって走行する車道が定められている場合がある)などの規定に違反した車両を取り締まるためドローンを導入する。
ドローンによる取り締まりが行われるのは、韓国の主要ジャンクションエリアなど4か所。同エリアでは、2000万画素級のカメラを装着した直径1mのドローン合計4台が、25m~50m上空を、80㎞ほどのスピードで飛行・巡回する予定だ。もちろん、これまでの巡回取り締まり方法(パトカー、取り締まり用カメラ、警察のヘリコプターなど)と、状況を共有、連携しながら取り締まりが行われる。
2015年には、韓国・刑事政策研究院が「知能型ロボット技術と刑事政策」という資料の中で、ドローンを捜査に導入する未来象について言及していた。
同資料のなかでは、犯罪を抑止する段階では、無人車とドローンの活躍が期待されていた。特にドローンの場合、交通渋滞で自由かつ迅速に出動なため活用度が高いとされている。刑事政策研究院側は、それら“パトロールロボット”の投入が本格化すれば、既存の人材を適材適所に配置、業務の効率性向上にも資する指摘している。一方、米流通大手・アマゾンは、警察の取り締まりや現場検証などを支援する、小型ドローンの特許を出願したこともある。
今回、いよいよその最初の試みが始まろうとしていると言えそうだ。なお1月の連休期間、韓国では全国高速道路の交通量が、428万台に達すると予想されている。ドローンには、そのようなシチュエーションで、取り締まりの効率化や財源負担軽減が期待されている。
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