フィリピンの航空当局が商業用ドローンを初認可

ロボティア編集部2015年7月11日(土曜日)

 2015年7月9日、フィリピンの航空局担当者が、国内エンジニアリング会社・SRDPコンサルティングのドローンに対して、同国初となる認可を出した。フィリピン民間航空局(CAAP)の局長ウィリアム・ホッチキス氏は、SRDPのドローンは、国の規制当局からライセンスを取得した初の事例となると述べた。

「SRDP(のドローン)はCAAPの多くの要件に準拠する初めてのケース。ライセンス取得に1年をかけました。我々は許可手続きを合理化している最中で、細心の注意を払う必要があった。プロセスが約1年もかかった理由は、そのためです」

 彼はSRDPの件に加え、国にドローンを操作するためのライセンスを求めているテレビ・メディア企業が他にもあると付け加えた。 SRDPコンサルティング社長ジョエル・クルス氏は「初となる認可を受けることができ喜ばしい限りです。プロセスの面では遅れがありましたが、CAAPはまだ予備調査を行っている段階。その面については理解しています」と話した。

 クルス氏およびSRDPは、年末にさらに2つのUAVのライセンスを取得することを狙っている。クルス氏によると、認可されたドローンは地上探査、調査、災害防止と管理に利用されるという。価格は約120万ペソ(約310万円)となっている。調印式中、ホッチキスは、初認可を受けたクルス氏を祝福すると同時に、CAAPによる罰則を避けるため、他の人々にも認可を受けることを奨励した。

 昨年6月、CAAPはドローン所有者やオペレーターに対し、航空規制当局に自社の機器を登録し、動作させるための認証を受ける旨を記した覚書を発行した。覚書は「UAVに関する事業認可を受けていない者は、雇用や報酬のためにUAVを操作することはできない」と明記している。違反者に対しては、違反の重大さに応じて、P500,000(約130万円)~P300,000(約80万円)の罰金が科せられる。

 CAAPのエフレン・ロカモラ規制基準部門マネージャは、利用者は認証(認定)のために6000ペソ(約1万5000円)、登録のため1500ペソ(約4000円)を支払う必要があると説明。また、操縦者はライセンスを受ける前に、約3〜10日の適切な訓練を受けなければならないとした。

 フィリピン当局と関係者の中では、認可までに時間がかかったと話しているが、一定の認可制度があるという点で、日本や周辺国よりも法整備が進んでいると考えられる。