韓国政府がドローン、自動走行車、IoTなどの分野に関する規制を大幅に緩和するとした。今後、新産業と関連した規制状況を精査しつつ、国際的にもトップクラスの規制緩和に乗り出す方針だ。18日、大統領府で朴槿恵大統領主宰の「第5次規制改革長官会議」と、「官民合同規制改革点検会議」が開催され、その場で規制改革案を用意、推進することが明かされた。
韓国政府は、新産業分野の技術発展スピードに応じて、改善が必要であると提案された規制は、民間が中心となる「新産業投資委員会」を通じて迅速に緩和を検討・実施していくとした。
特に注目すべきはドローン、自動走行車、IoT、クラウド、ビッグデータなど新産業関連の規制緩和だ。原則として規制が撤廃され、例外的な場合にのみ検討する「ネガティブ規制方式」を本格的に適用することにした。
ドローン分野に関しては、国民の安全を阻害する場合を除き、すべての事業を認可する方針だ。加えて、25kg以下の小型ドローンを活用した事業登録時の資本金要件が撤廃される。これにより、農薬散布、空撮、測量、操縦教育などに限定されていたドローン事業範囲が、全面的に拡大される見通しだ。今後、ドローン宅配、ドローン看板(広告)、ドローン演出など様々な事業が登場するものと期待される。
なお、韓国政府が今後10年の間に見積もっている、ドローン関連分野の新規雇用創出数は約3.1万人分で、経済効果は約1兆1700億円となる。
韓国政府はまた、ドローンの飛行環境を改善するために規制を緩和する。ドローン開発企業が多い首都圏内地域の専用飛行区域を、現在の18箇所から22箇所に増やす一方、地方自治体と協議し、順次、飛行禁止区域の規制を緩和していく方針だ。加えて、飛行承認、航空撮影許可などの各種申請は、今年12月にはオンラインで一本化される。来年7月からは、スマートフォンアプリを利用して、飛行可能地域を簡単に確認することができるようにもサポートする。
自動運転の分野では、運転者が操作しなくても走行(完全な無人走行)が可能な試験運行区間を、主要幹線道路を中心に、全国的に拡大することにした。
韓国政府側は「世界各国が新産業分野で優位を占めるために激しく競争するなか、韓国企業の創造的なアイデアを迅速に事業化、連携することができるように、規制の枠組みを変えなければならない」と説明している。