ユタ州警察、FAA規制でドローン導入が思うように進まず

ロボティア編集部2016年6月20日(月曜日)

 米ユタ州の警察当局が調査および捜査にドローンを導入したものの、連邦政府の規制により、使用を中止する事例が頻発しているという。

 ユタ州の警察組織の一部には、ドローンを飛ばすために米連邦航空局(FAA)の承認を得なければならないという点を知らずに継続して使用し、昨年からオペレーションを中止したという事例もあるという。また、いくつかの機関はドローンを合法的に飛ばすことができるよう、FAAに例外的な承認を受けようと1年間にわたり努力してきたが、まだ成果がないという。

 FAAは現行の法規に基づき、ドローンが自然災害救援や捜索・救助作業に必要な場合は、24時間未満の使用を条件とし、緊急例外承認を発行している。また、FAAは州政府や地方政府が一定の目的でドローンを使用しようとする際、承認手続きを簡素化するための作業を進めている。

 FAA広報担当者は、ここ数年の例外的にドローン飛行を承認した件数が4800件だったと説明している。これは警察などの公的機関だけでなく、民間団体や企業が発行された例外承認をすべて合わせたものであり、すでに有効期限が切れたものも含まれているという。なお、FAAは警察機関に認可された例外承認件数を個別に集計していないとも説明している。

 ユタ州北部リンドン(Lindon)市のコーディ・カーリーモア(Cody Cullimore)警察署長は、3581mの高さのティンパノゴス山で行方不明になった登山者を見つけることにも、ドローンが役立つと説明している。

「この地域を歩いて調査するには時間がかかりますが、(ドローンでの)飛行は5分だ(中略)ドローンが時間を効率的に使うことに大きな助けになっている」(カーリーモア氏)

 しかし、リンドン警察署はFAAから例外承認を受けなければならないという事実を知った昨年からドローンの使用を中止しており、今も承認を受けるためにプロセスを踏んでいる。

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photo by americanlandscouncil.org

 なお2015年春には、ユタ州のいくつかの警察機関がドローンを飛ばした事例を報告されたが、今月に提出された最新の報告書によると、2015年5月から2016年4月までの1年間、ドローンを飛ばした事例は一件もなかった。一方昨年、警察機関ではなく、ユタ州の緊急管理局が、洪水の写真撮影などの目的でドローンを4回飛ばしている。

 カーリーモア署長は「(FAAに)手順をより簡単にして欲しい。(ドローンは)公共の安全を確保するための非常に貴重な手段だ」と話している。