トランプ政権が、米国企業の人工知能(AI)関連ソフトウェアの海外輸出を制限することする措置を実施する。AI技術が中国など競争国の手に渡ることを防ぐための措置だと、現地メディアが報じている。
今回の措置が適用されるのは1月6日から。特定のイメージソフトウェアを、海外(カナダを除く)に輸出する際、許可を義務付けることがその骨子となる。
米国の安全保障シンクタンクである戦略国際問題研究所(CSIS:Center for Strategic&International Studies)の専門家は、トランプ政権は中国の国防力向上を米国企業が助けてしまうことを防ぎたいと考えていると指摘。また、業界内で歓迎されるだろうと見通しを語った。当初、関連業界はトランプ政権がAI関連のハードウェア、ソフトウェアなど広範囲の製品・サービスを取り締まることを憂慮してきたが、今回の措置は特定部門に限定されることになった。
現地メディアの報道によれば、今回の措置は、センサ、ドローン、衛星など、ターゲットを確認するプロセスの自動化に使用されるソフトウェアが対象となっている。また国防・民間問わず、すべての製品が対象となる。
今回の措置は2018年に制定された法律の下、商務省によって策定された。経済および安全保障を理由に、米国企業が中国など敵対国にセンシティブな技術を輸出することに対する管理監督を強化する目標がある。まず国内で施行されるが、今後世界的な広がりを持たせるため、米規制当局が国際団体にも案件として提出する可能性があると現地メディアは伝えている。
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