フランスを「最強のAI先進国に」マクロン大統領が宣言…研究施設誘致を推進

ロボティア編集部2018年4月3日(火曜日)

エマニュエル・マクロン仏大統領は3月末、新しい国家戦略に関する演説のなかで「人工知能技術をリードする国家にならければならならない」と強調。政府によるスタートアップ・関連研究の積極的支援、また共有可能なデータ収集のために、今後5年間で15億ユーロを投入すると発表した。スピーチでは、その詳細な計画にまで言及が及んだ。

「人工知能は、技術、経済、社会、倫理などすべての部門で革命もたらすでしょう。その革命は50〜60年後ではなく、今まさに起きている。新たな機会があり、私たちは技術革新に従うか否か選択しなければならなりません」(マクロン大統領)

今後、フランスは民間企業の人工知能研究センターを積極的に誘致するとしている。フランスには欧州最高レベルの大学が多く拠点を構えており、すでにGoogle、フェイスブックなどが現地の人材を雇用し人工知能研究センターを運営中だ。さらに、サムスン、富士通、ディープマインド、IBM、マイクロソフトなども設立を進めている。それら企業によって、多くの地元研究者に雇用機会が生まれ、数千万ドル規模の投資が行われる予定であり、フランス政府としてはその動きを積極的に支援する計画だ。またコンピュータと自動化部門を研究するフランス国立情報学自動制御研究所(INRIA)が、4〜5社の民間企業とともに国家主導の人工知能プロジェクトを推進していくという計画も明かされた。

フランス政府はまた、政府レベルでAI研究のための膨大なデータを提供する用意を進めていく計画である。そして新技術の実験が滞りなく進むよう規制を簡素化し、関連法規もブラッシュアップする。

演説後、メディアインタビューに答えたマクロン大統領は、現在、米国と中国が人工知能技術をリードしていると指摘。今後、人工知能が現存するすべてのビジネスに革命をもたらし勝者がすべてを占めるとした上で、米国、中国を超える「AI最強国」になる準備をしなければならないと目標を語った。

Photo by twitter