損傷を自ら修復する「自己再生型ソフトロボット」開発へ…特殊素材を活用

損傷を自ら修復する「自己再生型ソフトロボット」開発へ…特殊素材を活用

Posted date:2017.12.05
Photo by ULB

柔らかい素材でつくられたソフトロボットの研究・開発が活発になるにつれ、「自己修復」、もしくは「自己復元」する素材の研究にも注目が集まっている。というのも、ソフトロボットは柔軟かつ滑らかなボディーを持つが、熱や圧力によって変形しやく、もともと持っている形状や特徴を失いやすいという課題がある。そのため、自己修復する素材の開発、そしてそれらをロボット工学に取り入れる動きが重要になるとされている。

自己修復する素材は非常に便利であり、ロボットビジネスの成否を分かつ重要なファクターになりうる。今後、サービスロボットなどが社会の各領域に普及していくと予想されているが、数が増えれば当然、ロボットのメンテナンスや管理が大きな課題となる。メーカーやロボットを導入する企業の立場からすれば、問題が生じた際に部品を交換・修理することが増えることすなわち「運用コスト増加」につながる。一方、ロボットの小さな傷や問題が自己修復されるならば、その問題を避けることができるようになるかもしれない。

市場調査会社マーケット&マーケットは、自己修復する材料の世界市場規模が、2021年までに24億4700万ドルに達すると予想している。なお、それらの素材はロボットだけではなく、医療、宇宙、繊維、通信機器などさまざまな分野において活用が期待されている。それでは、世界ではどのような研究の動きがあるのだろうか。

例えばブリュッセル自由大学の研究チームは、自己治癒能力とソフトロボットの融合という目標を掲げ関連素材を開発。合成ゴムでソフトロボットをつくり、それを損傷・回復させる実験を行っている。そしてロボットアーム、人工筋肉などを対象に行なった同実験では、形のみならず機能まで完全に自己回復させることに成功している。

同実験で回復に使われた方法は熱だ。まず80°Cで加熱(40分間)すると、破損したロボットの傷が回復。その後25°Cで冷却(24時間)すると、破損したロボットの強度および柔軟性が回復したという。

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